山古志村。新潟県の長岡市の山の中にあって、自然豊かな環境が楽しめる田舎の集落。
2004年の中越地震でここも甚大な被害を受けて、土砂崩れやそれに伴う水害で多くの家屋が倒壊、水没。また地域が世界に誇る産業である錦鯉の養殖でも、8割以上の鯉が死ぬなど壊滅的な状況でした。村自体も孤立状態になり、村民の安全も脅かされる状況でした。
そして当時の長島村長によって「全村避難」の決断が下され、村民は村を捨てて長岡市に避難。この避難は英断だったと評価されています。
災害から3年後に帰村が実現したのも当時の長島村長の影響が大きいのではないかと思います。
長島村長はその後衆議院議員となって活躍しました。を東日本大震災のときには復興副大臣に就任。2017年に66歳の若さで亡くなるまで活躍を続けました。葬式には自民党の二階幹事長も出席してましたね。テレビで見ました。
いま山古志を訪れても災害の面影は残っていません。復興をキーワードに地域おこしに取り組んでいます。災害の爪痕も一部にあえて残しつつ、いろんなイベントや特産品をアピールしています。
山の中でなんにもないようなところなんですが、山の棚田の景色が素晴らしかったり、なぜかアルパカを飼っている施設があったり、牛の角突きとよばれる闘牛があったり、また錦鯉は日本一の産地だったりと、意外に面白いところです。山古志アピールのサイトはこちら。見やすいです。
で、そんな山古志に行ってきてお昼ごはんを食べたので紹介します。たまたま昼時に通りかかったというだけなんだけど。
山古志の農家レストラン「多菜田」
寄ったのは「多菜田(たなだ)」というお店。山古志の美しい棚田に掛けた店名。ここは地元のお母さんたちが協力して運営している小さな定食屋さんだそうです。
メニューは、牛丼とかカレーなどの単品系、そば、うどんの麺類、そして定食があります。
メインぽい「多菜田定食」1,380円を食べました。多菜田定食は煮物コースと天ぷらコースがあって、頼んだのは天ぷらコース。
コースと言ってもいわゆるコース料理ではなく、お盆にのって出てくる普通の定食です。
見た目はうまそう。そして見た目通り美味しい定食でした。
肝心の天ぷらはさっくり揚がっていて美味しかった。季節の野菜の盛り合わせで、結構いろいろな具材があります。ゴーヤ、神楽なんばん、ズッキーニなどなど。ズッキーニはかなり大きくなったもので、薄めに切って揚げてあって美味しかった。
そのほか、小鉢はゴーヤーチャンプルー。豚肉は入ってない。かわりにツナだったかな?これも美味しい。
味噌汁はきのこなどいろいろはいっていて具沢山。
漬物はきゅうりと、糸瓜かな?歯ごたえが良くて美味しい。じんわり辛い神楽なんばんの南蛮味噌がご飯に合う。
そしてこの御飯はもちろん地元産のコシヒカリで、美味しいうえにおかわり自由。
感想
味は全体的に穏やかで、どぎつい味付けもなく優しい味わい。
店の立地もあるのか、人気のない山道で休憩処を見つけてホッとした気分が味にも影響するような感じがします。その分うまく感じる。自然に囲まれた場所がらもあって、雰囲気もよく満足できる内容でした。
牛丼とかもあるけれど基本的に野菜中心で、時期によっては山菜料理になるのだと思います。このへんでは5月ごろなら山菜の天ぷらなんかが楽しめるはず。
今回はズッキーニ、オクラなど山菜ではなかったけど、天ぷらはやや固めの揚げ方で野菜の歯ごたえがしっかり感じられて美味しかった。衣もべちゃべちゃしていない。いい天ぷらだったと思います。
小鉢はその時々で内容が変わると思いますが、味付けなんかが本当にちょっと上品な家庭料理の味付け。スーパーの惣菜によくある濃すぎる味じゃなくて、とてもいいと思う。
全体のボリュームはけっこうあります。天ぷらは満足できる量です。その他の小鉢は一口サイズですが、ご飯の付け合せにちょうどいいのでご飯をメインに食べることができます。ご飯はおかわり自由なので。
もちろんご飯も当たり前のように美味しい。炊き方はやや固め。しっとりと甘いご飯です。
それからこの定食、肉は入ってなかったと思います。野菜中心の定食。ベジタリアンでもいけるかも。春は山菜の天ぷらが楽しめそう。
それからそばも美味しそうだったので、また行く機会があったら食べてみたい。
行き方など
場所はよくわからない。というか山道を車で走っていたら偶然そこにあった、という感じ。ただ、長岡の駅などからはそんなに遠くはないのでナビとか入れれば普通に行けると思います。
アルパカ牧場とか闘牛場とかもすぐ近くにあるので、そういうところに一緒に行くのが良さそうです。
月・木が定休日で、ランチタイムしかやっていないのでタイミングよくいってください。