環境省がうなぎはなるべく予約して大事に食べましょう、といった趣旨のツイートをしたら、絶滅しかけてるうなぎを食べよとは何事だという抗議が相次いでツイートを消去したらしい。
大事に食えといっただけで、積極的に食えとは言っていないのだし、別にそれくらいいいじゃんと思う。こんなツイートにケチをつける人もどうかと思うが、それくらいでツイートを削除してしまうのも馬鹿らしい。
しかし環境省のツイートも、確かにほぼ無意味であって、うなぎを予約しようがしまいが、それとは無関係にスーパーにたくさんうなぎが陳列され、売れ残れば廃棄される運命にある、という事実は変わらない。
環境省がほんとうにうなぎの絶滅を危惧しているのなら、スーパーのうなぎ販売は完全予約制にするとか、うなぎ屋に卸すうなぎも割当制にするとかしてほしい。
さらにスーパーやうなぎ屋さんで規制しても、さらにその先、そもそも日本に入ってきてしまうシラスウナギが減らなければ絶滅は免れ得ない。
つまり、環境省がほんとうにうなぎの絶滅を危惧しているのなら、裏でうなぎを日本に流通させているヤクザやマフィアを根絶しなければならない。環境省、水産庁だけでなく警察組織も巻き込んで、うなぎ戦争を起こす必要がある。
そしてうなぎの流通量が減れば、価格は高騰し、自然と需要も減っていく。並行してうなぎの保護、管理をすすめ、安定した供給ができるような体制を作っていく。それができるまでにおよそ10年くらいかかるだろう。
安定供給ができるようになっても、現在のように野放図にうなぎが販売されるわけではなく、日常的に消費される食材としてではなく、高価なごちそうとか、めずらしい珍味として位置づけられるようになる。そうなったとき、とりあえずうなぎ絶滅の危機は脱したといえるのではないでしょうか。いまのクジラみたいなものかな。
絶滅するうなぎの代用食、「うな次郎」
それでもかつてうなぎを知っていた人間たちがどうしてもうなぎを食べたくなったら、かわりに「うな次郎」を食べればいいと思います。
うな次郎は一正蒲鉾株式会社が製造する、うなぎの代用食です。

うな次郎はカニに対するカニカマみたいな食べ物で、うなぎに似せて作られた加工食品。しかし、そのクオリティはかなり高いです。
カニカマも、カニの繊維を再現していてなかなか優れた食品だと思いますが、うな次郎はそれ以上かもしれない。表面に細かく切込みを入れてうなぎの開きのやわらかい食感を再現しているだけでなく、うなぎの皮まできちんと再現しています。ちゃんと弾力と歯ごたえがあって、焼き色もついている。
味ももちろんおいしい。うなぎのタレが使われているのは当然として、材料も魚のすり身が基本なので、うなぎと似たようなものでしょう。
もちろん本物のうなぎではない。カニカマに対するような態度で臨めば不満はないはず。でも切ったり調理して食材として使ったら、うなぎと見分けがつかないかも。
値段は1パック300円ちょい。高いか安いかわからないけど、本物の国産うなぎよりは安い。どっちにしろ本物が食べられなくなったらこれを食べるしかないんだけど、そこそこ満足できると思う。ウナギ味のナマズなどのまだ発展途上の微妙なものに比べると、かなり完成度の高い逸品であると思います。
ぜひ一度お食べになって、絶滅しつつあるうなぎに思いを馳せてみてください。そして本物が絶滅する前に、この味になれておきましょう。スーパーに売ってればいいですが、通販ではぼったくり価格のものもあるので気をつけて。