2019-10

スポンサーリンク
小説、本

「雪が白いとき、かつそのときに限り」の感想。今度は現代の高校が舞台の、青春本格ミステリー。作者の持ち味はよく出てる。

「元年春之祭」がおもしろかった陸秋槎の2作目。 元年春之祭は、ちょっとエキセントリックな登場人物の言動やなんかが、二千年まえの古代が舞台ということでかなり正当化されていた気がする。豪族の娘とか、召使いとか、身分のちがいもはっきりしていて、それによる当人たちの意識の違いが明確で、それがまた物語にも関わ...
小説、本

麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」の感想その2。「答えのない絵本」の真相について考えてみました。

前回に続き「メルカトルかく語りき」の感想を書きます。 ここでは「答えのない絵本」「密室荘」の2編の感想。ネタバレしているので知りたくない人は読まないでください。 「答えのない絵本」はネタバレがあってもなかなか考えさせられる短編だと思いますが、なにもしらないで考えてみるのも面白いと思います。 このペー...
小説、本

麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」の感想その1。アンチミステリ短編集で、納得できないという人もいそうなお話。

カバーの折返しに、「メルカトルは不可謬ですので、彼の解決も当然無謬です。あしからず。」という著者のお言葉が書かれている。 本編を読んでみると、たしかにこう書いておかないと納得できないという人もいるだろうな、という気がする。5つある短編でメルカトルが示す結論の多くは、通常では受け入れられないようなもの...
小説、本

麻耶雄嵩「蛍」の感想。訝しいけれど面白い。

本格推理小説っていうと、密室が出てきたり、謎の構造をした館が出てきたり、そこで連続で何人も人が死んだり、ちょっと特殊な世界が舞台になっていることが多い。現実ではまずありえないような設定ばかりで、つまりリアリティがない。 推理小説のリアリティ しかしリアリティというのはべつに小説に必須の要素ではない。...
スポンサーリンク