麻耶雄嵩

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小説、本

麻耶雄嵩「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」の感想。現実離れした推理合戦、推理が現実を規定するようで、面白い。

これはとても面白かった。 問題作とか、人によっては怒るとか言われていたけどなぜなのかわからない。普通に面白かったんですけど… 20歳でこれを書いたのがすごい。 何より驚いたのは、この本がまだ二十歳そこそこの著者によって書かれたということ。いわゆる本格推理小説ってこういうものでしょ?こういうのもありで...
小説、本

麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」の感想その2。「答えのない絵本」の真相について考えてみました。

前回に続き「メルカトルかく語りき」の感想を書きます。 ここでは「答えのない絵本」「密室荘」の2編の感想。ネタバレしているので知りたくない人は読まないでください。 「答えのない絵本」はネタバレがあってもなかなか考えさせられる短編だと思いますが、なにもしらないで考えてみるのも面白いと思います。 このペー...
小説、本

麻耶雄嵩「メルカトルかく語りき」の感想その1。アンチミステリ短編集で、納得できないという人もいそうなお話。

カバーの折返しに、「メルカトルは不可謬ですので、彼の解決も当然無謬です。あしからず。」という著者のお言葉が書かれている。 本編を読んでみると、たしかにこう書いておかないと納得できないという人もいるだろうな、という気がする。5つある短編でメルカトルが示す結論の多くは、通常では受け入れられないようなもの...
小説、本

麻耶雄嵩「蛍」の感想。訝しいけれど面白い。

本格推理小説っていうと、密室が出てきたり、謎の構造をした館が出てきたり、そこで連続で何人も人が死んだり、ちょっと特殊な世界が舞台になっていることが多い。現実ではまずありえないような設定ばかりで、つまりリアリティがない。 推理小説のリアリティ しかしリアリティというのはべつに小説に必須の要素ではない。...
小説、本

麻耶雄嵩「鴉」の感想。

本格推理をよく知らない私が手を出していいのかわかりませんが、率直な感想。 まず、主人公の名前が珂允(かいん)で、弟が襾鈴(あべる)。弟の死の謎を解きに珂允が向かったのは文明から孤絶した山奥の村で、村人はみんな和服を着ている。テレビはおろかガス水道もなく、電気が通ってない。で、探偵役の名前がメルカトル...
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