アメリカン・ゴッズ 第4話の感想。ちょっと中休み的な回。

ニール・ゲイマン原作のドラマ「アメリカン・ゴッズ」。

その昔、だれもが読んだり聞いたりしたことのあるいろいろな国の有名な神々。実はその神様たちは、アメリカにやってくる移民とともにアメリカに渡ってきていた。しかし当時は人々に信じられ力を誇った神々も、時代が過ぎ、伝統も信仰も薄れていくにつれ徐々に力を失っていき、いまではかろうじて生活しているといった有様。その一方で、テレビや携帯電話といった新しいテクノロジーからは新しい神々が生まれ、急速に力をつけはじめていた。

という設定で描かれるアメリカン・ゴッズ。いろいろな神がでてくるけれど、昔話で知っているのとはまるで違う姿ででてくることが多い。え、あの神がこういう姿なの?という意外性もなかなか面白い。

アメリカン・ゴッズ 第4話の感想

というわけで、第4話「去りしもの」の感想。

4話では主人公シャドウの妻、交通事故で死んだローラ中心の回です。シャドウとの出会いから始まって、シャドウが刑務所に行くことになったきっかけ、不倫、事故、その後が描かれます。本筋としてはちょっと一休みといったところ。

原作ではローラとシャドウの関係はシャドウの側からおもに描かれている。それをみると無口で誠実なシャドウの人柄がよく分かるようになっていたけれど、まあ冒頭ですでに死んでいるわけだし、ヒロインというよりはあくまでも脇役の一人、といった感じだった。ドラマでは原作にはないローラ側のエピソードを思い切り膨らませて、もうちょっとキャラに肉付けしている。

ローラはカジノのディーラーとして働いていて、けちないかさま師のシャドウと知り合う。で、意気投合して結婚するものの、ローラは幸せではあるが単調な日々に不満を抱えていた。日々の単調な生活に飽きている様子のローラに対して、(無職の)シャドウは愛する妻と暮らせてなんの不満もなく、毎日楽しそう。この辺、シャドウがちょっと馬鹿っぽくも見える。

で、現状を打破するため?ローラとシャドウはカジノ強盗をやることにし、失敗し、シャドウが刑務所行きに。

シャドウは3年の刑期を待つことができたが、ローラは待てなかった。隣の友人夫婦の旦那と浮気し、交通事故で死んでしまう。

このへんは原作ではとくに言及されていないエピソードで、ローラがカジノで働いていたのもドラマオリジナルの設定だと思う。原作でもローラはあとあとまで登場していたけれど、ドラマではより重要な役割を担うことになるのかもしれない。

ローラも死後、砂漠のような場所に行き、アヌビスに出会う。第3話の女性とは対照的にローラは死後の世界とか信じていないし、アヌビスのことも不審者扱い。心臓を抜き取られるのも拒否。そのせいかどうか、アヌビスにおまえは来世も信じてないし、行き先は真っ暗な無の世界だと告げられる。

ローラは元に戻りたいと言って嫌がるが、アヌビスにとっとと行けとせかされ、「あんたくそったれ・・・」と悪態をついたその時、スポーンと彼方に飛んでいき、なぜかゾンビとして復活することになるのでした。

なんでローラは復活したのか。アヌビスも訳が分からない様子で、さらに強大な何かの力が働いていたようです。シャドウが葬儀の際にローラの棺の上に落とした、レプラコーンからもらった幸運の金貨のおかげかもしれない。

それから、謎の強力なパワーを手に入れている。第1話でテクニカルボーイの従者にぼこぼこにされていたシャドウを救ったのは、実は墓から蘇ったローラだったのでした。シャドウの窮地にローラはテクニカルボーイの仲間に素手で襲いかかります。蹴り上げるだけで相手の胴体がまっぷたつになって背骨が飛び出したり、原作では確か台詞だけでさらっと書かれていたところがしっかり映像化されていました。

不倫相手の家に行って、そこの奥さんと遭遇するところが一番面白いかな。不倫相手の奥さんと出会っていろいろやりとりしたあげくなぜか一緒に車で出かけたりするところ、急に普通のドラマっぽい感じになって笑える。

最後はアヌビスに見つかってしまう。ローラの用事が済んだら、きっちり暗闇の世界に送り出すとアヌビスは告げるが、実世界でアヌビスは葬儀屋として暮らしている。とりあえず葬儀場でもげた片腕をくっつけたり、皮膚に塗装をしたり、エンバーミング?の処置を施してもらいます。「死んだ体には手入れとメンテナンスが必要だ。」

これからローラはシャドウに会いに行きますが、二人のやりとりがどんなものになるのか、ローラの怪力が今後のエピソードでも発揮されるのか。それから、シャドウもローラも用事が済んだら死ぬ?ことが決まっているわけだから、最終的に二人はどうなるのか。

第4話はお話の進展はほとんどなく、新しい神も登場しませんでした。ローラを取り上げて、後々登場するときの下地を作っておくための回だったようです。それでもつまらないということはない。

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