amazonプライムにあったので見た。
キャラクターが3Dで描かれていて、不自然じゃない。
見始めて、ん?と思ったのはキャラクターの絵の描き方。よくみたら、どうも3DCGで描かれていて、それがとても自然な2Dアニメ的な絵で表現されている。トゥーンレンダリングというやつだと思うが、かなり違和感なくて驚いた。これだと、キャラクターが向きを変えたり、視点が動いたりした際にも絵が破綻しない。ときどきアニメで絵がなめらかに動いていないときがあって気になるが、この映画ではそういうことがない。
もっとも海外のアニメはいま、ピクサーとかディズニーとか、ほとんどCGなので、割合から言ったらいまどき手書きのアニメのほうが珍しいだろう。「楽園追放」はそのCGを使って、手書きのデメリットをなくしつつ、見た目はほぼ完全に手書き風アニメとして違和感ないものに仕上げている。手間からいったらどっちがたいへんなのか分からないが、これは良くできていると思いました。
物語は、大きく広がりそうになる手前で踏みとどまった感じ。まとまっている。
お話は、全体的にこじんまりしているというか、小さくまとまっているという感じ。個人的には、特にSF映画に対しては、スケール感というか、迫力というか、そういうものを求めたくなるが、この映画ではそういうのは感じられなかった。
最後のほうで宇宙船がでてきて、宇宙に行くかどうか、という展開になる。あの流れなら当然行くだろう、映画的に。理屈はあとから付けることにして宇宙に行ったほうが絶対盛り上がると思う。でも、この映画ではそうならない。予算か尺が足りなかったのか?
なんか台詞でいろいろ言っていたけど、宇宙に行かない理由もよく分からない。
主人公はもともと仮想世界に住む警察的な身分の人で、地球から仮想世界に進入しているらしいハッカーを突き止めるために、生身の肉体を用意して地球で捜査を進めている。主人公が馴染みのない現実世界を徐々に受入れていく様子も描かれるんだけど、肉体と精神の相克というほど大げさな現実世界vsバーチャルみたいな話にはなっていないし。
普通に面白かったです。
そうはいっても普通に面白かったです。前半は定石を踏んでストーリーができているので、安心して見ていられる。アクションシーンも迫力があってよかった。ただ、主人公が露出度高い水着みたいな格好だったりするのは、しょせん狭い市場を狙ったオタク向け映画ということなのだろうか。
あと見ていて、なんとなくグレッグ・イーガンの「ディアスポラ」を連想した。肉体を用意して地球にやってくるところ、台詞のみだけどガンマ線バーストに言及するところ、フロンティア・セッター≒ヤチマみたいな感じが。
- 楽園追放 -Expelled from Paradise-
- 監督: 水島精二
- 2014年
- 上映時間 104分