映画「先生を流産させる会」の感想。

すごいタイトルの映画。で、はたして中身はどうなんでしょう。タイトル負けしてる?

オープニングで、4人の生徒が並んでうさぎ小屋を覗いているシーン。そこからつながる滑り台までの場面もなかなかよくて、低予算ながらもいいインディーズ映画っぽい雰囲気が漂ってた。出ている役者は、大人はプロみたいだけど子供たちは主人公も含めてほとんど素人同然。そこを新しいスタイルでカバーするのかと思いましたが。

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意外と普通の映画でした。

蓋を開けてみたら、意外にもわりと素直なエンターテイメント映画になってしまっていた。もっとこう、例えば園子温の映画みたいなおかしなところが出てくるのかと思ったが、ちょっと肩透かしを食らった気分です。

前半は様々な可能性を秘めていてちょっと退屈ながらも期待をもたせてくれましたが、後半はジャンル物の定型にしっかりはめてきて、そつがないと言えば聞こえはいいんだけど個人的にはもっと突き抜けた何かが見たかった。モンスターペアレントの問題とか絡めてきてるのは面白いし、それと対比として主人公の邪悪が浮かび上がりはするんだけど、ちょっと弱い気がした。

最後は担任の先生と悪い生徒がなぜか和解したような感じになっていたけど、なにかされたら殺す、と断言までしていた先生がなぜ和解したのか。それまでの経緯で先生と生徒の間に感情的な交流があったようには見えないので、ちょっと唐突感のあるエンディングでした。かといってここでジャンル映画に徹して先生が殺人鬼に変貌したりしても、さらに安っぽくなるだけだしな。

主人公の女子は印象的な顔で存在感があった。先生に対して冗談じゃ済まないレベルのいたずらを仕掛けるという行動も、作為が感じられない態度でよく似合っていた。演技というより、素で行動しているだけという気もする。そのせいなのか知らんが、主人公と別の生徒の場面ではなんとなくドキュメンタリーっぽい雰囲気が感じられました。

あと、職員室がなんかごちゃごちゃしていて面白かった。

タイトルが秀逸

この映画でもっともすごいのは「先生を流産させる会」というタイトルそのものと、批判も多く出そうなのにこのネタを映画にしたということそれ自体だと思う。映画としてはなかなかそつなく作り上げているという感じでした。

まとめ

タイトル負けしてるかどうか、微妙なところです。えげつない実話が元になっている映画というのはたくさんあると思いますが、流産させる、しかも実話というのは並の殺人事件に比べてもやっぱりインパクトの大きい出来事だと思います。しかし、出来上がった映画は、誰にでも薦められるものではないものの、きれいに作られたきちんとした商業作品だった、という感じです。「鬼畜大宴会」みたいな型破りな熱気はなかった。

押切蓮介のホラー「ミスミソウ」もこの人が監督しています。まだ見ていないのですが、イジメや教師と生徒の力関係といったネタは「先生を流産させる会」の監督にぴったりなのではないかと思っています。