映画「きさらぎ駅」の感想。実話怪談モノの映画化で、ネタは有名でよく出来てて、映画もまあまあ悪くない。

「きさらぎ駅」はかつて2ちゃんねるに投稿された一連のやり取りをひとつの怪談とみなしたもの。怪異の当事者が最初の投稿者となり、そこにリアルタイムでの投稿が積み重なり一つの実録怪談のようになっている。その後もリスペクトやオマージュが相次ぎ、いまでは一つの都市伝説に昇華した。

きさらぎ駅の書き込みは2004年らしいが、そのころはこういうのが結構よくあり、2ちゃんねるには実話っぽい怪談がよく書き込まれ、きさらぎ駅のように事実としてリアルタイムで書き込まれるものもあった。ただ、多くは明らかな創作だったり、怪談まで行かない(逆に怪談よりも怖い)事実だったりで、きさらぎ駅のように都市伝説化したものはまれだったと思う。

で、その映画化。いまさらな気もするが、ネット上ではきさらぎ駅は今でも人気ワードのようだ。

実話の体で語られるのがキモの掲示板怪談をどんなふうに映画化したのか気になったので、見てみた。

結果、結構面白かった。

ネタ元としてきさらぎ駅を使いながら、まったく違うパターンの怪談に落とし込んでうまくいっている。

脈絡のない場当たり的な展開も、一人称視点のゲーム的な映像にすることで雰囲気づくりに寄与しているような気がするし、この視点は現在進行系で語られる掲示板での怖い話っていう雰囲気を映画ならではの形にしようとしたものなのかもしれない。

一人称を始めととし随所に見られるチープさも、そうはならんだろ、っていう主人公の行動も、物語のループ構造に笑いの要素を取り込むことでうまく中和されている。

まあ話の整合性とか辻褄とかはちょっとおかしなことになるような気もするが、これはなかなかうまくいったホラー映画なのではないかと思った。

ラストもありきたりといえばありきたりだけどなかなか雰囲気がでていてよかった。

一番好きだったのはやっぱり二週目だから勝手がわかってる主人公(恒松祐里)と、彼氏?が死んだと思ったらいつのまにか友人?に乗り換えてる女(演じているのは莉子)。一周目はあんまり出てこないけど、二週目ではちょっと出番が増えてる。

あとはきさらぎ駅が2004年の話なので、電車内の様子や小物なんかも時代にあわせているのかな。その辺の作りは良かったと思う。

主人公の恒松祐里はどっかでみたことあるなと思ったら、「全裸監督」のシーズン2のメインキャストだった。

以上です。

【本危】まとめサイト:本当に危ないところを見つけてしまった・・・完結編
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上は、きさらぎ駅と同じように2ちゃんねるで実話として語られた「蓋」の話で、こっちは掲示板の参加者が積極的にネタに参加して盛り上がりを見せたタイプ。最初から作られたストーリーではないのでグダグダな部分も多いが、一つのネタから投稿者の思惑を超えて発展していく様子が面白い。最初の「蓋」がネタだとされたあとでも、途中で投稿された現実に存在する「蓋」の場所特定に目的がシフトしていくトコロや、最終盤で、蓋を発見したにもかかわらずその場所を明かせない心理などが面白い。全部読むとちょっと長すぎるけど。

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