スティーブン・キングのダークファンタジーの金字塔、「ダークタワー」映画版の予告編が公開された。映画はアメリカで8月4日公開予定。
さて、これをどう受け止めるか・・・。
「ロード・オブ・ザ・リング」が公開されたときは、ずいぶんハリウッド的な映画になったなあと思ったが、それは主にカメラワークとか音楽とか演出的な部分で、絵面は原作の雰囲気に近かったし、ストーリーも脚色してあるとはいえ原作に忠実だった。個人的には「コナン・ザ・バーバリアン」とかのスタイルでもう少しケレン味をおさえてもいいかと思ったが、そういう部分は慣れてしまえば気にならなくなる。なんだかんだで「ロード・オブ・ザ・リング」は長い原作を、忠実に、ハリウッド風味も効かせて上手に映画化したお手本としていまではファンタジー映画のスタンダードになったと思う。
そして「ダークタワー」。まあ、これくらいにぎやかにしないとお客さんを惹きつけられないので、かっこいいリロード(とくに一発ずつ高速で装填するところ)とかロングショットとか派手なアクションシーンとか、そういうのは当然だと思います。
あとは、原作とは細かい点、大きな点含めてだいぶ違うようなので、それがどう評価されるかですね。気付いた点。
- ジェイクは2回目のジェイク
- 現代のニューヨークで黒衣の男と対決するっぽい
- 主要主人公が出てこない
- オイが出てこない
ほかにもいろいろ。
ジェイクが街で空家をみつけ、そこから中間世界に行くようなシーンがありました。つまり原作では2回目に登場するジェイクになるわけですね。ニューヨークの化け物のアジトでの銃撃戦みたいな場面もあるので、ある程度原作全体からいろんな要素を拾ってきているようです。
しかし、すでに分かっていたことですがエディ、スーザンという主人公が出てきません。これは次回作で登場?という噂もありましたが、どうやら続編はなくなりそう。
それからオイがでてこない。オイとは、ビリー・バンブラーというネコとタヌキと犬を混ぜたような人語を解す動物で、これも一緒に旅をする仲間でけっこう重要な役どころなんですが、予告編には見あたりませんでした。
個人的には、原作つきの映画化でも映画と原作はまったく別物と考えているので、とりあえずどんな風に仕上がっているのか楽しみです。
原作とあれが違う、これが違うといって違い=欠点のように論うのはよくないですね。
しかし、「ダークタワー」のように長大、かつ物語に作者スティーブン・キングが登場するといった趣向の物語は、へんに映画化したら滑稽な映画になりかねないので、脚色の仕方が難しいのもたしかです。今回の予告編を見る限り、そうした危険を避けて万人受けする無難な内容に書き換えたといった感じがします。
当初はドラマ版も、という話でしたが、これも先行き不透明で未だに具体的な話がでてこないところをみると、ぽしゃった可能性が8割くらいありそう。全ては映画のヒットにかかっている、といっても過言ではありません。
しかし、これに続けて9月にはItが公開され、ミスター・メルセデスのドラマも制作中で、キャッスル・ロックというキングのオリジナルドラマも出るとか、最近のキングはいったいどうしてしまったんでしょうか。