セゾン投信の中野会長がクビに。投信業界に動揺か。

セゾン投信の設立者である会長の中野晴啓氏が解任されることになった。取締役会で決定されたようだが本人も納得していない様子で、突然のクビ宣告のようだ。

理由は、セゾン投信の運営会社との運営方針上の対立らしい。

つまり、運営側としてはもっと加入者を増やして運営側にもたらす利益を増やせということだろう。一方の中野氏としては、あくまでも顧客本位の目線に立った投信を標榜していて、あくまでも直販を貫き、顧客が納得した上で選んでもらうというスタンスを崩したくないんだろう。

クビになったことで懸念は2つある。一つはセゾンの投資スタイルが変わるのかどうか。もう一つは顧客が離れないでいるかどうか。この2つはちょっと関連している気もする。

投資スタイルについては、すくなくともセゾン・グローバルバランスファンドについては変わらないだろう。そもそも投資内容は世界の時価総額に比例する配分にするという大きな方針があるので、そのときどきで多少の比率の違いはあるにしても、だれがファンドマネージャーになってもそれほど大きな変化はないはず。

他の2つのアクティブファンドについてはどうなるのかわからない。方針を決定するのはファンドマネージャーで、これまで通りやるということだが、実際には上からの圧力があれば方針が変わる可能性はあるかもしれない。

もう一つ、今後のセゾン投信の顧客についてだが。

これ、中野元社長が啓蒙活動を続けていたからセゾン投信を選択したって人がたくさんいると思うんだよね。中野元社長はカリスマ的なところがあったから、そういうのは顧客が投信を選択する上で投信の成績以上に影響があったかもしれない。

個人的には中野氏が退任しても投信の投資内容が変わるとはあんまり思ってないけど、上記の理由で感情的に解約する人が出てくる可能性は否めない。

さらに、現在ではセゾン投信の信託報酬などはとくに安いとは言えず、他のインデックスファンドと比較したらむしろ高いかもしれない。その現状でセゾン投信の利点は何かというと、あんまり詳しくない人でも中野氏の啓蒙やカリスマ性でとりあえずセゾンをずっと持っているという、果的な長期投資の推進にあるのではないか。

そういう人たちが多かった場合、自分が信頼して選択した中野氏が去るとなると、じゃあやーめたってなる可能性もあるだろう。

さらにこのタイミングで他の投信が積極的な販売を仕掛けてきた場合、成績も悪くなく信託報酬も安いインデックスファンドのメリットを宣伝されたら普通にそっちに流れていくことも考えられる。

どうなんだろうね。実際、セゾン・グローバルバランスファンド(株式+債権)より資産形成の達人ファンド(株式のみ)のほうが成績いいし、資産形成の達人ファンドよりアメリカ株式100%インデックスのほうが成績いい気がするんだよね。

親会社のセゾンは何を考えてるのか。中野氏を更迭までしたってことは今後は確実に販売窓口を拡大するんだろうが、まさか販売手数料を取るようになるとは思えないが。積極的な営業が行われるようにはなるかもしれない。

個人的には、株式のみでもいいような気がするし、他のインデックスファンドでも成績はそんなに悪くないので、いつ乗り換えてもいいと思う。とくに中野氏のファンというわけではないが、ただいままで何も考えずに保有していてそれなりに利益が出ているのと、NISA口座もここで設定していて変更が面倒なのでとりあえずはこのままにしておく。今後、連鎖的な解約などが発生しなければいいけど。

 

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