「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」の感想。まあまあ面白いけど。

映画のウシジマくんシリーズが完結ということなので、見ました。

過去の映画は、結構面白いドラマ版がきちんと映画になっていていいなと思ったのですが、回を重ねるにつれ粗も目立ってきて、3とファイナルは1や2ほどは楽しめませんでした。1、2と同じく安定はしているので、つまらないことはないですが。でもちょっとどうなの?っていうきになるところも目立ちます。

ザ・ファイナルは、面白いところもあるんだけど突出したものはなく、逆に妙なところが気になりました。そういうわけで、先に気になったところをあげつらってみます。

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気になった点

ファイナルでおかしいのは、出てくるのがみんなウシジマくんの知り合いっていうとこ。

ウシジマくんの中学生時代がでてきて、どこの異世界かと思うほどの修羅の国っぷりもおかしいんだけど、今回のメイン被害者で貧困ビジネスにひっかかる竹本くん(永山絢斗)はウシジマくんの幼馴染で、貧困ビジネスをやっている鰐戸三兄弟も同じ地元の先輩で、さらにウシジマくんのライバルの犀原茜も同じ地元で鰐戸三兄弟と因縁のある仲って、いったいどうなってるんだろう。

このように、みんな知り合いという妙な状況でなんかスケールが小さく、こじんまりした地元の話のように感じられてしまうのが残念。犀原にいたっては地元にいたっていうのは完全に後付けの設定で、自分も敵対している鰐戸三兄弟の元に向かうウシジマくんと柄崎の後ろ姿に「死ぬなよ」とか声をかけたりして、なんかキャラが変わってしまっている。その後いろいろあって、現在のウシジマを死ぬほど憎んでいるキャラになったんだとは思うけど。

みんな知り合いっていうのは漫画でもそうだったけど、漫画ではそんなに違和感なかったんだけどなあ。みんな知り合いなのに、知り合いらしい素振りを見せていないことかなあ。

それから、今回の映画のネタの一つはタコ部屋なんだけど、その仕組みについての説明がほぼなかった。

鰐戸三兄弟もちょっとインパクトが足りない気がした。三男が狂っているのはわかる。ただ長男(安藤政信)は、三男との対比で三男をたしなめるまともなキャラにしたんだろうけど、まともすぎて怖い要素がない。竹本なんかとも普通に会話してるし。次男はいたのかいないのかわからないくらい出番が少なかった。

ウシジマくんをなんかヒーローぽく描いているのが解せない。過払い請求に特化した悪徳弁護士(アディーレ法律事務所がモデルなのか?)に乗り込んで相手の弁護士を脅すところ、たまたまこの都蔭という弁護士がクズでウシジマくんが弱みを握れたから上に立てたけど、まあ普通に考えたらウシジマくんが悪い。

ドラマからそうだけど、原作より笑いを入れて、さらにウシジマくんがクズの前に立ちはだかってクズを糺す、という展開になっていると思う。しかし、その結果ザ・ファイナルのラストシーンがちょっとインパクト弱くなってしまう。親友である竹本を死地に追いやる決断に迷いを見せ、涙する姿は、原作のつねに冷酷無比なウシジマくんだからインパクトがあるので、映像版の割といい人っぽいところがあるウシジマくんだとなんか、そうだよねっていう印象。

出ている人について

演技は、いいところと悪いところがある。

一番良かったのは少年時代のウシジマくんを演じた狩野見恭兵。山田孝之の喋り方とか仕草を真面目に研究して演じているみたいで、驚くほど似ていた。

戌亥の少年時代を演じた俳優もよく似ていて、いいキャスト選んだなっていう感じ。

柄崎の少年時代の江口祐貴は、ウシジマに頭を下げて懇願するところがちょっと一本調子で何言ってるかわからない。もうちょっと抑揚と節をつけて喋っていれば…。みためはヤンキーでいいと思う。

タコ部屋の室長の榊原(モロ師岡)の歌とかは最初はちょっとバカバカしすぎると思ったけど、金を奪うかどうか逡巡する甲本を説得するときにかえって必死さが見えてきて、悪くなかった。

カウカウファイナンスの社員役の最上もがは、起用したからにはそれなりの役目を与えればいいのに3に続いて相変わらず存在意義がない。正しい意味での役不足ですね。

鰐戸三兄弟の三男(間宮 祥太朗)は見た目はいいけど、セリフの多くは何言ってるかわからない。唇がない、という設定のせいではなく、マスクをしていて声がくぐもっているから。これはなんとかならなかったのか。

そういえばモロ師岡は「キッズ・リターン」で安藤政信と共演して、けっこう絡んでますね。なんだか面白い。今回はどうだったかなー一緒の場面は結構あったけどほとんど会話もないですね。

都蔭弁護士役の八嶋智人は安定感がある。ちょっと大げさな演技もこの映画のノリによくあっててぴったり。やべきょうすけ、マキタスポーツもハマってていいですね。

まとめ

ファイナルにしては微妙なデキだったな。ラストシーンも、ドラマのサラリーマン編で、借金を負わせて親友を売ろうとしたクズが最後に心変わりして自ら過酷な労働をする道を選ぶ、というのと同じパターンで、そんなに新味はないし。

ところどころ演技が雑なのが気になる。犀原を始め、怒鳴ればいいってもんじゃないんだけどとりあえずそれで押し切ってしまう。馬鹿馬鹿しい口調のセリフもリアリティをあまり考えずそのまま入れてしまう。1、2はまだシリアスな部分があったと思うんだけど、3以降は敵役も含めてギャグっぽくなってしまった。

なんだかんだいって、こういう裏の世界を描いたシリーズとしては結構面白いと思います。ナニワ金融道という面白いドラマがあるので、もっと暗い部分に踏み込んでほしかったんですが。今回、シリーズは終了ということなので、今度は漫画と同じトーンの暗く冷たい雰囲気のウシジマくんでリブートしてもらいたいですね。