「ナイスガイズ!」の感想。娯楽映画としておすすめ。何を見るか迷ったときの安牌として。

ライアン・ゴズリングはいつも薄ら笑いを浮かべていて、スカした役が多いという印象だけど、この映画では情けないところのあるダメおやじを好演している。昔、まだ売れっ子になる前に出演した「完全犯罪クラブ」でもいまいち吹っ切れてない、常に冷たさの残る雰囲気がありました。もちろんそれがライアン・ゴズリングの持ち味で、そのへんが「ブレードランナー2049」の主演の理由だと思います。

で、この映画ではダメおやじなんですが、コミカルな演技もなかなかハマっていていいと思いました。

ラッセル・クロウは太りっぷりに驚きましたが、この人の、どちらかというとよりシリアスな人生疲れっぷりもなかなかいいと思いました。キングの「Mr.メルセデス」のドラマ版はブレンダン・グリーソン主演ですが、このラッセル・クロウでもいいかも、と思いました。

なおラッセル・クロウがシリアスと言っても相対的なもので、映画全体はかなりバカバカしい類のものなので笑って見られます。

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ストーリー

妻と死別して娘と暮らしている冴えない探偵がライアン・ゴズリング。腕っぷしで解決する困りごと相談みたいな仕事を請け負っているのがラッセル・クロウ。

ライアンがアメリアという女性を捜索する過程で二人は知り合い、やがて一緒にアメリアを探すことになります。やがてアメリアに秘密があることに気づき、ふたりは大掛かりな陰謀に巻き込まれていきます。

よくあるパターンだと思いますが、全体的にギャグやジョークを散りばめていてコメディに仕立てているのが特徴です。すでに死んで葬式を済ませてる亭主を、行方不明だから探してほしいという婆さんが出てきたり(「それで、いつから行方不明なんですか?」「葬式の日からよ」とか、そういうノリが続く)、人も結構死にますがたまたまそばにいた人が流れ弾にあたったり、かるーい印象です。

見た感じとしては、「リンカーン弁護士」っぽい感じかな?ただ、あれよりはもっとバカっぽいコメディで、出来事はもっと大掛かりだけど、雑。「リンカーン弁護士」はこれに比べるとずいぶん真面目な映画に思える。「ナイスガイズ!」はあれを構成も雰囲気もずっとゆるくした感じで、隙はあるものの肩肘張らずに楽しめる出来になっていると思います。

キャスト、娘役のアンガーリー・ライスもいい

ライアンとラッセル・クロウのコンビものなんだけど、もうひとり活躍するのがライアンの娘。オヤジの商売にいろいろ首を突っ込むちょっとマセたところもありつつ純粋な少女で、アル中気味のオヤジにかわって車を運転したりオヤジを支える存在。日用品のコマーシャルに出てきそうなごく普通な雰囲気のアンガーリー・ライスがこの役を好演しています。この少女の設定も含め、妻/母親を亡くしているあたりの設定にはさり気なく触れるだけで湿っぽさを極力排してるのがいい。

あと、アメリア役の人、どっかでみたことがあるなぁと思ったら、ネットフリックス版「デスノート」に出てました。Lが頭をつかう代わりに追いかけっこでライトを捕まえようとする斬新な「デスノート」でした。

ついでにキム・ベイシンガーも出てます。出演は数カットだけど存在感あります。ラッセル・クロウが出てるんで、「LAコンフィデンシャル」の縁で出演したのか、それとも偶然再共演となったのかな。

悪役も、なかなか印象的な顔ぶれでした。冷静な黒人、キチガイっぽい長髪、クールなヒットマン。でも、全員間抜けなんだよね。

70年代が舞台

70年代らしさはちゃんとしていて、車も服装もそれっぽいんですが、70年代映画風、というわけではないようです。そのへん、ここ最近のレトロ風味というわけではないみたい。

70年代が舞台なのはここしばらくの流行に乗ってるから、というのもあるし、70年代に設定することでハチャメチャなストーリーから嘘くささを抜くことができるからでしょうか。あるいは、これを「映画」という作りものの世界に閉じ込めるというか。

現在と地続きではない時代が舞台に選ばれている。ハリウッドで懐古趣味的な部分が目立っている。そのあたりに何かしら意味があるとは思いますが、そのへんはいずれ専門書かなんかを読んでみたい部分です。

まとめ

編集とかストーリーは、特に序盤が少し分かりづらいところがあるような気もする。冒頭で死ぬポルノ女優とアメリアがどう絡んでくるのかちょっと分かりづらいし、表情、掛け合いの間がちょっとギクシャクしているところがあるような気もする。

あと物語の語られ方と、事件の規模の大きさがちょっとアンバランスな気もする。

まあ、その辺は個人的な好みもあるし些細なことで、映画の欠点ではないし映画全体の楽しさに変わりはありません。

とにかく、娯楽として楽しむには最適なタイプの映画です。めんどくさいことや辛気臭いことを考えず、ぼけーっと笑いながら見られる映画で、娯楽映画としてはおすすめ。ちょっと長いけど、2時間以内に収まってるし。

卑猥な言葉が出てきたりおっぱいやおしりがでてくる場面もあるんだけど、そのへんも昔の洋画のノリというか。地上波で放送するときにも、おっぱいくらいカットしないで放送してほしいものです。