「プリズン・ブレイク」シーズン1の感想。

いまさらプリズン・ブレイクを見た。とりあえずシーズン1。

2005年のドラマで当時大ヒットした記憶がある。脱獄もので、脱獄ものってだいたい面白い。「アルカトラズからの脱出」とか、「大脱走」とか、「パピヨン」とか、昔のフランス映画の「穴」とか。

プリズン・ブレイクは「大脱走」、「ショーシャンクの空に」みたいな脱獄ものをドラマでやってみたいということで企画されたドラマだそうです。

よくできた脱獄映画の面白さはわかっている。囚人があの手この手で監獄の警備のスキを調べ上げて、周りの協力を得て脱獄する。それをドラマで時間をかけてねっちり描いたらきっと面白いだろうな。

そして「プリズン・ブレイク」シーズン1はその期待を裏切らない、面白く緊迫感のあるドラマに仕上がっていたと思います。

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安定の面白さの脱獄モノドラマ。

全米放映のドラマだし、脱獄ものとはいえ主人公が犯罪者っていうのはちょっといただけない。

そこでこのドラマでは、ハメられて殺人の濡れ衣を着せられた死刑囚、リンカーンが用意されます。主人公は死刑囚の弟マイケルで、かれが綿密な計画を練って刑務所に入り込むところがスタート。ふたりとも悪党じゃないので安心して見られます。まあ、兄ちゃんのほうはけっこうなならず者みたいだけど。

主人公のマイケルは設計技師かなんかで、兄が収監された刑務所はたまたま自分が設計に関わったものだった。これ、ひょっとしていける?って思った弟は、兄を脱獄させるための計画を数ヶ月かけて練り上げます。兄が冤罪だってのは、どっかで確信したんだったかな。忘れた。

この計画がすごい。どうもマイケルは天才みたいで、脱獄に必要なあらゆる情報、刑務所の地図を用意して、タトゥーとして全身に彫り込む。そうやって刑務所内に脱獄の手引を持ち込むわけですね。数ヶ月かけて脱獄計画を練り上げる根性はすごいと思います。兄ちゃんの処刑期日は決まっているので、それまでになんとしても脱獄を成功させなければならない。

マイケルは最初から脱獄だけを目的に刑務所に侵入して、計画通りに脱獄の準備をしようとするわけですが、自信満々に見えるわりに毎回トラブルの連続なのがなんともいえない。そのトラブルをいかにかいくぐって計画を進めていくか、っていうのがひとつの見所。

脱獄ものっていう、看守にみつからないように、っていう苦労の他に、周りの囚人との交渉、計画そのもの欠陥といった様々な困難がまいかいマイケルにふりかかり、サスペンスドラマとしての緊迫感はかなりのもの。とくにあんちゃんの処刑日前後、いざ脱獄決行ってあたりであんちゃんが独居房に入れられちゃったりして、一体全体どうなる?っていうあたり、とても面白く見られました。

陰謀論

それともう一つ、刑務所内の脱獄計画だけじゃなくて、刑務所の外でもリンカーンの担当弁護士が死刑を免れるための証拠を探して奔走する。この弁護士がリンカーンの元カノっていうのはまあおいて、その行動を邪魔する謎の組織が登場する。

そもそもリンカーンの罪は、副大統領の弟殺しというもので、実は副大統領自身がリンカーンをはめる計画に関わっている。ということで、脱獄と同時に陰謀論的ストーリーも同時進行していきます。

 

キャスト

登場する看守や囚人たちも、ステレオタイプって気はしますがそれぞれ個性的で、絡み合いが面白い。

刑務所長役はステイシー・キーチ。大物です。「ショーシャンクの空に」の所長みたいに主人公の能力を利用して目をかけてやるんだけど、あっちと違ってこの所長はまともな人物として描かれています。

一番人気がありそうなのはTバッグ。ペドフィリアの殺人鬼というゲスキャラなんだけど、そのねちっこい演技で印象を残します。やっぱり当たり障りのないキャラよりこんくらいヤバいやつのほうが人気でますよね。さらに、日本語吹き替えがすごい。「サザエさん」のアナゴさん役、有名な声優若本規夫氏が担当しているんですが、ハマり役というよりは悪ノリって感じもするしつこい喋り方で非常にインパクトがあります。

刑務長のブラッド・ベリックを演じるのはウェイド・ウィリアムズ。だいたい、看守長とかって敵役になるわけですが、このドラマでも典型的な悪徳看守。さらに独身のマザコンでもあり、嫌われること間違い無しの嫌な奴の役を完璧に演じています。

主人公と同房になる陽気なプエルトリコ人、フェルナンド・スクレを演じるのはアマウリー・ノラスコ・ガリード。川谷拓三みたいです。

主人公マイケルを演じるのはウェントワース・ミラー。見てるうちにどんどんイケメンに見えてきた。常にクールで何事にも動じない雰囲気のマイケルが、ときどきどうしようもない困難にぶつかって目に涙を浮かべたりするところもみどころでしょうか。

主人公の兄、リンカーンを演じるのはドミニク・パーセル。野獣です。

まとめ

人気のせいで、当初13話だった予定が22話に引き伸ばされたみたいで、そのせいか少し中だるみする部分がある。しかしそのへんを差し引いても、全体的に盛り上がる面白いドラマだった。

プロットの穴については、気にならない。探せばあらはいくらでもありそうだが、そもそもこんな大それた計画をこんなでかい声で相談しながら何人もの囚人を巻き込んでなんて現実には不可能な気がするが、そういうことを考えるスキを与えないテンポの良さもあった。

1シーズン22話で結構長く、それに1話1話の展開が早くて重いんだけど、あっという間に見られました。

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