「プリズン・ブレイク」シーズン4の感想。

人気シリーズ第4シーズン目、このへんからますますおかしくなってくる。しかしここまで見てきたらすっかりファンになっているのでどんな展開でも許せる。というか、今度はどんなふうに転んでいくんだろう、とそのへんも楽しみになってくる。

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全シーズンのソナ刑務所はあっさり決着。

まず、前シーズンの舞台となった過酷なソナ刑務所。主人公たち数名はなんとか脱出したものの、ベリックとTバッグは取り残されたままで、さらにスクレまで収監されてしまう。一体この先どうなる?という終わりだったけど。

第4シーズン冒頭でソナで暴動が発生。その結果刑務所は火事で火に包まれ、その混乱に乗じて3人はあっさり刑務所を脱出。スクレ、ベリックはこっそり国境を超えてかんたんにアメリカに帰国するのでした。

ソナの扱いの雑さがなんとも言えない。しかもこのくだりは映像とかはなく、台詞で説明されるだけ。

アメリカとパナマで同時進行的に話が描かれるのかと思ったが、今シーズンはまったく別のことに焦点を当てることになる。まあ、ソナは主人公たちの脱獄時すでにボスは殺されて混乱状態だったことを考えると、Tバッグがけしかけて暴動を起こさせたことに無理はないか。

なお、Tバッグはもうちょいと複雑な過程でアメリカに来ます。そして、ウィスラーが持っていた鳥の本を手がかりに、マイケルたちに接近してきます。

サラが生きてた。

あと、サラが生きてた。まあ、生きてるとは思っていた。というか死ぬ理由がなかった。マイケルがソナに潜入した理由はサラの救助でもあるわけで、殺しちゃったらやる気なくすよね。あるいは恨んで組織に歯向かってくるよね。

シーズン3では椅子に縛られた後ろ姿だけで登場して、おそらく代役だったろうし、キャストの都合で降板とかだったのかな、とは思ってた。まあ、なんにせよ出てきてよかった。

その代わりというか、全シーズンで組織の謎にからむ重要人物だったウィスラーは冒頭であっさり死亡。え?ってなりました。なんのために必死でウィスラーを脱獄させたのか、よくわからん。

結局はウィスラー自身ではなく、かれが持っているスキュラという謎の装置へのアクセスが必要だった、ということのようです。

脱獄ドラマではなく、ミッション・インポッシブルみたいな感じ。

このシーズンでの目的はスキュラの奪取と、それによる赦免。

スキュラって言うのはよくわからんが強大な力につながる情報を秘めたデバイスで、莫大な金額になる。でスキュラは6つのパーツに分かれていて、全部手に入れる必要がある。

マイケルたちは秘密裏に活動している政府の職員に雇われる形で、組織より先にスキュラを手に入れることを要求される。他に天才的ハッカーの犯罪者も加わって、特殊工作員チームみたいになってる。

ただの脱獄犯だったはずが今回は特攻野郎Aチームみたいになっているのがおかしい。それに、マイケルが仕事を始めた途端、これまで突き止められなかったスキュラにやすやすとたどり着けてしまう。さすがIQ200としかいいようがない。

まあ、ほとんどはマイケルとマホーンという二人の優秀な男のおかげに思えるが、これならマイケルたちを待たずにもっと早くにやれたのでは、って気もする。

もはや脱獄ドラマではないが、話の展開を楽しむ分には十分面白い。

このシーズン、マイケルがタトゥー除去の手術をして、全身のタトゥーから開放される。ちらっと見えるたびにメイク的な負担について考えさせ、なによりストーリー的にもすっかり無駄になっていたタトゥー。

タトゥーが消えて身軽になると同時に、第1シーズンから大きく変わっていったストーリー展開に少しの寂しさをおぼえる。

とはいえ、つまらないとは思いませんでした。変なところは色々あると思うけど、スキュラの奪還という大きなストーリーにマイケルの母とかいろんな人物が絡んでくる。シーズン1以来の人物が登場したりもするし。

話の説得力とかより、その人々の絡まり具合を楽しむドラマだった。もちろんTバッグも登場して活躍?するし、ベリックにも見せ場があったりするし。

裏切りの応酬なんかもあったりして、ストーリーが進むにつれて敵味方それぞれの人物の立場が動的に変わっていくところが魅力かな。またところどころで新たな人物や展開をポンポン投げ込んできて、ドラマってこうやって続けさせればいいんだなー、という一つのやりかたみたいなのが見えてくるような気がします。

一応、シリーズ完結編。

それからこのシーズンで物語は一応の完結を迎える。一応というのは、次のシーズンもあるからだけど、でもこのシーズンで物語としては終わっている。

シーズンの最初から、これで終わりっていうのは決まっていたみたいだけど、ちょっと無理やりまとめた感はある。ベリックの扱いについてもいきなり見せ場を作って盛り上げた感があるし、その後のTバッグの演説もちょいと違和感がないわけではない。

でもまあ、全体的にはファンなら存分に楽しめる作りになっていたのではないでしょうか。スクレもシーノートも出てくるし。

あと無理やりあとを引くような終わりになっておらず、ちゃんと完結してる。最後2話は「ファイナル・ブレイク」として独立した締めくくりのエピソードになっていて、こちらはこじんまりしつつも原点回帰した脱獄もののなっている。印象的な悪役であるグレッチェンとサラの因縁にも結末がつく。

まとめ

そもそも、脱獄犯たちが政府の職員に雇われて国と敵対する一大勢力と競って世界を揺るがすスキュラを手に入れるっていう話にツッコミをいれるのは野暮ってもんでしょう。スキュラに隠された情報も太陽エネルギーの利用法とかで、数式とか装置の設計図っぽいものらしく、デバイス6つに分割して保存するほどの情報量じゃなさそうな気がする。

シーズン1、2の脱獄ドラマっていう設定からは大きくそれてしまい、かなり迷子になっていた感はあるものの、ここまできたら最後まで見届けなければ気がすまないという気持ちもありつつ、やっぱり馴染みのキャラクターがどう行動するのか見ているのは楽しかった。

マイケルがずっとしかめっ面なのが気になる。ドラマの設定上っていうのもあるにはあるけど、笑っている場面がほとんどない。だいたいつまらなそうにむっつりした雰囲気を感じる。もともとそういう感じではあったが…。マイケルを演じるウェントワース・ミラーは次のシーズンを最後に降板を発表しましたが、その理由は同性愛者なのに異性愛者を演じるのはもう十分というもの。このドラマ自体、マイケルとサラのキスシーンみたいなものはほとんどなかった。ウェントワース・ミラーの決断はシーズン5を見るとかなり納得できました。

「プリズン・ブレイク」 シーズン3の感想。

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