キングの「ミスター・メルセデス」ドラマ化。出来はいいらしい。

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スティーブン・キングの「ミスター・メルセデス」ドラマ化について。

「ミスター・メルセデス」は2014年発表のキングのクライムノベルで、3部作の1作目。現在はすでに3作目も出版され3部作は無事完結。

原作はキングにしては珍しく、ホラー要素とかのないストレートな犯罪小説なので、キングということで敬遠していた人にも楽しめる内容。元刑事vs精神の歪んだ犯人という話で、両者の化かし合いがスリル満点でテンポ良く描かれて、キング初の犯罪小説でいきなりエドガー賞を受賞。

1作目は非常に評判がよく、早くにドラマ化が決まってたしか2016年くらいからキャストは発表されていたと思います。そしてアメリカで9日からプレミア上映が始まりました。

それにしても今年キングがらみで映像化されるのは、ダークタワー(映画)、IT(映画)、ジェラルドのゲーム(映画)、ミスター・メルセデス(ドラマ)、キャッスルロック(ドラマ)、ミスト(ドラマ)とたいへんなことになっています。さらに、現在進行中/計画中のものもたくさん。いったいどうなっているのでしょうか。

キング自身の小説家としての才能、ジャンルに囚われない多作ぶりもあるし、あとはキングの小説と時代の歯車がぴったりあったんでしょうね。

10話中4話までの評価。

いまのところアメリカの一部のケーブルテレビで4話まで見られるらしい。全10話のテレビシリーズで、ほぼ原作に沿った忠実な映像化。多少、登場人物の追加やなんかがあるようです。

予告を見ると、犯人が主人公に送る手紙がビデオになっているみたい。あの、手紙を解析して犯人像をプロファイルするところが好きだったんだけど、どうなるんだろう。

ざっと評価を漁ってみたところ、概ね好評。中には「ダークタワー」の口直しに、といった意見もありました。

もともと原作が面白いので期待できそう。

キャストについて。

キャストもかなり、いい感じ。発表されたキャストをみても違和感がない。主要な人物を紹介します。

主人公ホッジズ・・・ブレンダン・グリーソン

これは適役。たしかに、似合っている。年格好もちょうどいい。ブレンダン・グリーソンはいろいろでてるけど、「28日後」のお父さん役とか、ブラッド・ピットの「トロイ」のメネラオスとか、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の軍隊の偉い人とか。あとハリー・ポッターとか。

犯人ブレイディ・・・ハリー・トレッダウェイ

これも似合っている。マザコンでオタクでコンプレックスがあって、でも内心自分は天才だと思っていて。人前では愛想良くして子供に人気があったりして、内心では全員ぶっ殺す・・・と思っているやつ。演技もなかなかいいらしいです。実はアントン・イェルチンがこの役を演じるはずだったのですが2016年に事故で亡くなってしまい、その代役だそうです。

ジェイニー・パターソン・・・メアリー・ルイーズ・パーカー

一応、本作のヒロインでいいのかな。これも似合ってますね。メアリー・ルイーズ・パーカーはブルース・ウィリス主演の「RED」に出てた人。

黒人ジェローム・・・ジャレル・ジェローム

キングの小説にはよくでてくる、いい黒人。人柄が良く、ホッジズの親友でいろいろコンピューターのこととか教えてくれる。さらにあたまがよく、背が高くハンサムで、ハーバード行きが決まっていて、まあ、キングの小説にはよくあることですかね。ジャレル・ジェロームは「ムーンライト」で評判になったようです。

盟友ホリー・・・ジャスティン・ループ

ジェロームと一緒にホッジズの捜査を手助けする、後半から登場する重要人物。原作だと40歳以上で自閉症気味、かなり変わった人物で、個人的にこの人の造型がすごいと思いました。ジャスティン・ループの写真を見ると、金髪のカワイコちゃんみたいですね。どんなふうにホリーを演じるのか期待。

ジェロームの妹・・・Makayla Lysiak

読めない。マカイラ・リジアクさん?脇役ですが、見た目が本を読んで頭に描いていたイメージと近い。

期待したい点。

つまり普通に面白い原作なので、普通に映像化してくれればいいのですが。

基本的に主人公対犯人の対立なので、その大きな骨格を壊さずに、あとは原作で描かれているいくつかのポイントをうまくくみ取ってくれればいいと思います。

まず、犯人のブレイディ君のひん曲がった精神と彼と母親との関係。ブレイディは重度のマザコン、母親も息子を気色悪いくらい溺愛していて、二人の関係は本当に気持ち悪い。

あと主人公の変りぶり。そこかしこで描かれるホッジズの「老い」が、この小説を読んでいていやでも目につくところ。肉体的なものもあるし、インターネットやタブレットといったテクノロジーについて行けない、といった点もある。そしてなにより引退して無為に過ごす日々のなかでゆっくり死に近づいていくような感覚。

それがブレイディの登場で俄然元気になる。このへんは丁寧に見せて欲しいところです。

それから、ホッジズに協力するホリーの演技。4話の時点ではまだ登場していないようなのでどんな感じなのかわかりませんが、キャストされているジャスティン・ループは原作に比べてずいぶん若いので多少変更があるのかもしれない。ホリーはかなり重要な人物だし、エキセントリックな性格がどのように再現されるのか気になります。

あとはやっぱり、続編ですね。原作は3部作できれいに完結しているので、どうせなら全部映像化して欲しいところ。これは「ミスター・メルセデス」の評判次第ですね。

それから一番気になるのは、日本ではいつ公開されるの?

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