「アンという名の少女」シーズン2の感想。

いつのまにか第2シーズンの放送が始まっていました。ちょっとだけ見たので感想。

ところで、原作の「赤毛のアン」読んだ人っていますか?あれ、実は結構長いシリーズですよね。アンがおばあさんになるまで続くそうですが、わたしのまわりで全部読んだ人はほとんどいません。わたしは一度も読んだことがありません。なんとなくアニメの印象がぼんやりあるという程度。アニメだけ見たとか、小説の最初だけ読んだとか、そういう人は多いのではないかと思います。

たぶんこのドラマ版と原作とでは印象がだいぶ違うと思います。シーズン1も原作にはない展開をしていたようですが、シーズン2ではさらに原作から離れて独自の展開をする箇所が多くなるようです。

そして、それがこのドラマが現在でも受けてる要因のひとつだと思うので、製作上のそうした決定は成功だったと言えるのではないでしょうか。

シーズン2の冒頭では、前シーズンラストに登場したいかがわしい二人の事件から始まります。丁稚奉公に来ているジェリーを殴って金品を強奪した二人組がアンの住む家に居候に来るというクリフハンガー?で幕を閉じたシーズン1ですが、このへんでもう原作とは多分だいぶ違うんだろうなという感じがしました。シーズン2はいきなりサスペンスドラマになるのか?と思いきや、もちろんそんなことはなくきちんと赤毛のアンとして成立しています。

強盗二人組が詐欺師だと判明し、そのへんのサスペンス要素もありつつ、細かな心情の揺れ動きを描写してくれます。二人組は町に混乱をもたらすものの、逆にアンというキャラクターが二人に大きく作用することで「赤毛のアン」としての物語から脱線することなく進行する。

マリラ役の人のインタビューを読むと、たしかに原作とは異なる展開になっているけど、原作の登場人物、原作のエッセンスに忠実に作られている、ということです。マリラについても、シーズン2では結構面白い変化がありそう。詐欺師の若い方に優しくされたり、たくましい裸を見てしまったりして忘れていた感情を思い出すマリラ。そういうのも、たぶん原作にはないですよね?

「アルプスの少女ハイジ」というアニメ、今は家庭教師のトライのCMでいじられてます。家族向け少年少女向け優良アニメではあるがすでに古典化してしまい古びていたハイジが、ラップをさせられたりすることで復活しました。「アンという名の少女」はそれとはちがいますが、原作を忠実に映像化してもここまで面白くはならなかったと思います。やはり今風の視点で、今風の演出で、原作から一歩踏み出したのがこのドラマの面白さの要点だと思います。

原作付きの映画/ドラマの場合、まったく忠実にやるか、改変するかは判断が難しいところだと思いますが、個人的には映像ならではの要素を取り込むためには改変せざるを得ないし、尺の関係もあるからストーリーの面でも多少の変更をしたほうが完成度はあがるのではと思います。ただし、それは当然原作の理解も必要だし、難しい作業だと思いますが、「アンという名の少女」はそれが成功した例だと思います。とか言って、原作読んでないので比べることはできないんだけど。古い話だからと言って古臭さは感じません。

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