主にニューヨークが舞台のファンタジードラマで、人間に紛れてデーモンや狼人間や吸血鬼が跋扈している世界で、それと対峙するデーモンハンターの活躍を描く。
主人公のクレアはニューヨークの美術学校に通う女子で、二十歳の誕生日を機に自分の出生の秘密を知らされ、今まで知らなかった裏の世界に足を踏み入れることになる。
アメリカでベストセラーになった小説シリーズの映像化のようです。設定等々をみるといわゆるライトノベルとか、ヤングアダルト向け小説のようだ。日本では途中までしか翻訳が出ておらず全然知らなかったが、アメリカでは全6巻の他に派生作品も書かれ続けていて、一定の人気を誇る作品らしい。過去に映画化もされている。
ドラマは全3シーズン。3シーズンで打ち切りになったようだが、最後にまとめとなる2話が追加されてお話としては完結している。
難しいことを考えずに気軽に見る分には楽しめる。
シーズン1の序盤は無名なキャストやしょぼいCGでまさか素人のコスプレドラマではあるまいな、とちょっと心配になるが、適度な裏切り、適度なサプライズ、どこかで見たような物語で、いってみれば定番のオンパレードなのである意味安心してみていられる。
お約束とはいえ毎回サプライズがあって展開はわくわくさせるし、徐々にキャラも立ってきて独特な世界観が確立されていき、そのうち楽しく見られるようになってくる。シーズン2に入るとCGもグレードアップしてなんとなく安っぽさがなくなり、結構いい感じになります。
主人公、突然お母さんが誘拐され、実は世間には吸血鬼とかの魔物がうようよしていて、さらに自分自身はシャドウハンターの血を引いているという驚愕の事実を、わりとあっさり受け入れる。翌日からシャドウハンターのニューヨーク支部(一般人には見えない)に平然と出入りを始め、最初に自分を助けてくれたジョイスといい感じになる。
この辺の割り切り具合は好きです。
どんでん返し多めの飽きない展開
で、いい感じになったジェイスと実は兄妹だった!とか、自分たちを狙っている悪役が実は父親だった!とか、そういうありきたりな展開がバンバンでてきます。
ありきたりなんだけど、テンポがいいので、で次はどうなるの?ってついつい見てしまう。あと、ジェイスとクレアが兄妹とかそのあたりの回で、登場人物がこれみよがしにスター・ウォーズのTシャツを来てたりして、そのへんはわかった上でやってるドラマなんですよってちゃんと宣言してる。当然、そういう古典的なお約束のもう一歩先にいっているので、展開としては退屈しない。
世界観は、これもごちゃまぜなんだけど、普通の人間に混じってヴァンパイア、狼人間、妖精がそれぞれのコミュニティをつくって暮らしていて、さらにそういう連中が本拠地にしている異世界とはポータルで繋がっているという設定。それを大まかにキリスト教的な要素で包んでいるという感じ。
この辺の設定とか世界観はチープと捉えるかまあまあしっかり出来ていると感じるか、判断が分かれると思う。原作がヤングアダルト小説で、ライトノベルっぽさはすごくある。個人的に気になったのは、専門用語がたくさん出てきて少し分かりづらかったところ。シャドウハンターの親分みたいなクレイブってのによく言及されるんだけど、それが特定の人物じゃなくて組織の名前だって最後にわかった。てっきりクレイブっていう誰かがいるのかと思ってた。
恋愛要素。アレクとマグナスが強い。
あと、ティーン向けということなのか、それとも作者の趣味なのか、売れる小説なら当然のことなのか知らないが、恋愛要素が多い。なかでも最も気になるのが、これは見た人ならだれもが納得すると思うけど、アレクとマグナスのゲイカップルだろう。
この二人、第二の主人公と言っていいくらい出番が多く、二人の恋愛関係に割かれる時間が長いと感じる。もちろん主人公とジェイスも、主人公の親友であるサイモンも、それぞれのラブストーリーが展開するんだけど、アレクとマグナスという種族を超えたストレートな恋愛模様にはついついハマってしまう。
まとめ
面白かったのは、パラレルワールドで比較的平和に過ごしているみんなの回とか、ジョイスがサイモンにナンパ指南をする回とか。あとは最終回らへん、むりやりとはいえきっちりまとめていてよかった。
ややこしくはあるがそんなにめんどくさい話でもないし、次々に目まぐるしく展開するので飽きないし、アレクとマグナスの関係を最後まで見届けるために見るのも悪くないと思います。
あとキャストはだいたい知らない人たちでしたが、ルーク役のイザイア・ムスタファは映画版「IT」の大人のマイク役で出演してた人でした。元アメフト選手だそうです。