「ザ・シューター」 ドラマ版、シーズン2の感想。

不幸なことに主役のライアン・フィリップが骨折する怪我を負い(撮影中ではなく休暇中)、第8話で唐突に終了してしまったシーズン2。

このたびシーズン3が放送開始となり、その第1話が実質的にシーズン2の最終話だったのでそれを見た上でシーズン2の感想を書きます。

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ドラマは原作の三部作をある程度反映した作りになってる。

このドラマはもともと大人気の原作付きで、マーク・ウォルバーグ主演で映画化もされています。その映画もけっこう面白かったのですが、一番の不満は原作が後付けながらもしっかり構成された三部作になっていたのに対し、単発の軽いアクション映画で終わっていたことです。それとちょっと関わるように、かつて主人公が活躍した場がベトナム戦争からイラク戦争へと変更されていました。(あとヒロインがシャツに乳首が透けてるような若い女だったのも登場時すごく違和感を感じましたが、これを演じてるのは「ハウス・オブ・カード」の記者役の人で、実はなかなかの活躍ぶりでけっこうよかった。)

なんでシーズン1で主人公の役柄が映画と同じくイラク戦争の帰還兵とされていたときにはやっぱり原作の緊密な構成はなくなるのかな、と心配したものですが、シーズン2に続くということで、逆にどうやって原作のような展開にするのか興味がわきました。

で、シーズン2。

正直言って、原作の三部作もよく覚えてないので忠実かどうかはわからないけど、シーズン2では原作3巻に出てきたロシアのスナイパーをヴィランにしてそいつのとの対立をメインに据えています。ということは、ある程度原作のような陰謀も物語の柱にしようということなんでしょう。

ストーリーは、ドイツで退役軍人の集会みたいなのに参加していた主人公一家が突然の襲撃に巻き込まれるところからはじまって、襲撃の理由、主人公との関連をめぐって目まぐるしく展開します。その合間にアクションシーンをふんだんに盛り込んでくれるのでただ眺めていても面白いですが、ストーリーはシーズン1にも登場したFBI捜査官のナディーンの独自捜査もあったりして、ぼんやりみてると筋を見失うかも。

ちょっとありきたりな展開も。

結果的にはアトラスと呼ばれる秘密組織が登場し、それがありがちな政府の秘密組織になってしまっていたのはちょっと残念でした。シーズン1では主人公は大統領殺しの汚名を着せられるという最大の危機が最初にあるので、その後のエピソードはすべていかにその危機をかいくぐるかという緊張感があったのですが、シーズン2では命を狙われているとはいえ基本的にフリーの状態なので、シーズン1ほどの緊張感はなかったような感じ。

そのかわりに、主人公の家族の危機にもフォーカスが当てられます。とくに奥さんの精神状態がピリピリしてくるわけですが。

これもありきたりな展開な気がする。ドラマとしては面白んだけど、危険をものともしないタフガイの主人公にか弱い奥さんをくっつけて家族の愛情を描くっていうのはありがちな気がする。原作はどうだったっけ?原作の場合、家族の愛情は当たり前にあるだろ、みたいな書き方じゃなかったかな…覚えてないけど。

どっちにしろ、狼狽するあまり余計なトラブルを招く奥さんの行動がちょっとステレオタイプに思えたところでした。もちろん、奥さんの行動は敵役のソロトフにつながるものでもあるので物語上はしっかり意味のある作りにはなっているんですが。

ソロトフはバックグラウンドなんかも結構描かれていて、敵役としての魅力は十分に発揮されていたと思う。

でいよいよ主人公とソロトフが遭遇して決戦か…というところでシーズン2が終わってしまうので、シーズン2だけ見てももやもやすると思います。シーズン3の第1話までセットで見ましょう。

やっぱりおもしろいアクションドラマ。

なんだかんだと悪口っぽくなりましたが別にけなすつもりはなく、むしろアクションドラマとしては相変わらずおもしろい、おすすめのドラマです。

そしてシーズン3の第1話。なんと、ここでボブ・リー・スワガーのお父さん、アール・スワガーが登場します。もちろん回想シーンなんですが、のっけからアール・スワガーの死亡シーンから始まるんです。とすると、シーズン3は原作2部の「ブラックライト」をやるのか?ひょっとしてアール・スワガーシリーズのドラマ化も?

などと期待の膨らむシーズン3第1話でした。これも見逃せないですね。

舞台や時代背景など原作とは結構変えてあるので、原作読まなくても十分楽しめるシリーズになっていると思います。もちろん、原作の骨太な雰囲気と根本的に強い主人公と凝りまくった銃器の描写は読んでて快感なので、気が向いたら読んでみて下さい。シリーズはたくさん出ているけどとりあえず三部作。

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