「北斗の拳」実写版をみた感想。鷲尾いさ子出演。

「北斗の拳」を見た。

テレビアニメではなく、劇場版アニメでもなく、実写版。

わたしは「北斗の拳」の大ファンではない。マンガ喫茶での暇つぶしに原作を全巻読んだことが一度ある。それ以外には、テレビアニメ版をちらっと見たことがあるのと有名な作品なので常識程度の知識がある程度で、原作と比べてどうとかあまり気にせず虚心坦懐に映画を観ることができたと思う。しかし、酒を飲みながら見たのでところどころうろ覚えになっている。

映画の冒頭で、悪役のシンがケンシロウの師匠みたいな人(北斗神拳の使い手?)を殺す。師匠は死を覚悟している様子。それでも、やっぱり南斗聖拳vs北斗神拳の試合が見られるのかと思いきや、シンがあっさり銃で撃ち殺したのでびっくり。「北斗の拳」に、しかも南斗聖拳の使い手であるシンに、銃は似合わないと思うのですが・・・。

ストーリーは、なんとなく原作に沿っている感じ。まあ、原作のマンガは長いのでその一部を抜粋して仕上げたんだろう。なんか、シン率いる暴走不良軍団から村を守るケンシロウ、といったこぢんまりした話になっている。あと、ケンシロウとシンがヒロインのユリアを取り合う。こまかい所で、原作の要素を取り入れようとがんばっている。なんか、作物の種を大事に守っていたりするところとか。

画面は、全体的に汚い。暴走不良軍団が汚いと言うのもあるし、荒廃した近未来の世界で衣食住が足りてないのでみんな薄汚い格好をしているというのもある。荒廃した感じは出ている。ただ、マッドマックスみたいなからっとした青空に砂漠の荒野ではなく、どんよりと曇ってじめじめした地方のゴーストタウンのよう。どこでロケをしたのか知らないが、東欧、といった雰囲気。絵的にきれいな場面はない。

主人公やシンやユリアの衣装は原作っぽい。実写で見ると、シンの衣装がなんかアホっぽい。配役については、手下たちも含めまあこんなもんだろう、というそれなりの雰囲気の人たちになっていると思う。ただし、バットという若造はいったい誰だ?と聞きたくなるほど違和感がある。原作ではもっと少年だったと思うが。ユリアは鷲尾いさ子という日本の女優が演じている。

それからケンシロウの吹き替えは、ちゃんとアニメと同じ声のひとがやっていた。これはポイントが高い。あの声で「アタタタタタァ!」とかいっているから「北斗の拳」として成立しているといっても過言ではない。なので、日本語吹き替えで見た方がいいと思う。たぶん他の声優も、アニメ版と同じキャスティングをしているんじゃないだろうか。しかし、ユリアの声はダメだ。これはたぶん出演した鷲尾いさ子本人が声を当てているんだと思うが、絶望的に下手くそで棒読み。

全体的に安っぽい。秘孔を突かれた相手の顔がぼこぼこにゆがんで爆発しちゃうのは再現されていたが、南斗聖拳はちゃちいCGでシンの体に緑の光が浮かぶだけ。シンが住んでいる建物も、休みの日の公民館を借りて撮影したような雰囲気が漂っている。ケンシロウの吹き替えがなければ、ファンが作ったちょっと金のかかった自主製作映画に見えてしまうことだろう。

北斗の拳、ってどういう意味なんだろう。この映画では、北斗の拳は人物をさす固有名詞のようで、ケンシロウが「おれこそが北斗の拳だ」とか言っていてすごく違和感があった。北斗神拳の担い手だ、とかではく、北斗の拳だ、ってなんかおかしく聞える。どうでもいいことだけど。

あと北斗神拳とは何か、とかシンとケンシロウの過去とか、不良軍団はいったいなぜ適当に村人を撃ち殺したりいじめたりしているのかとか、そういう説明はなかったように思う。北斗の拳だからということで納得してくれということなんだろう。北斗の拳っていえば、だいたい分かるでしょ?という作り手側の甘えなのだろうか。とくに知りたいとも思わなかったのでいいんだけど。

荒廃した世界なので、強力な酸性雨が時々降ってくる。村の人は「酸性雨だ!水を守れ!」みたいなことを言って水を入れてある樽に覆いをする。最初から屋根の下にいれとけよ。

なお、ケンシロウは勇者なので酸性雨でも平気だった。

途中、何度か再生を止めようかと思ったけれど、それほど長くない映画だったので最後まで見ました。

北斗の拳
(Fist of the North Star)
監督: トニー・ランデル
1995年
上映時間 103分

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