新潟知事になった米山隆一氏の素質がまだわからない

ほんとうにトランプが大統領になってしまいました。ニュースなんかでは番狂わせといっていたけど、実際の勝率は五分五分、どっちに転ぶか分からないっていう評価だったはず。ただし、出馬表明時点からさかのぼって考えれば確かに番狂わせ。その当時から大統領になることを予想できた人はほとんどいないはず。

アメリカ大統領選とはスケールが違うが、2016年10月の新潟知事選挙でも、おおかたの予想を裏切って米山隆一氏が当選した。

新潟の知事選、最初は泉田知事が出馬することになっていたんだけど地元の新聞社とのごたごたを理由に突然出馬を取り下げ。知事に批判的かつ一方的な報道を理由に、これでは選挙戦を戦えないという理由だった。実際のところはわからないけど、原発反対など与党に対する「反抗的」な態度が目を付けられはじめて、さらに対抗馬として自民党推薦の森民夫(当時長岡市長)が立候補して、負ける可能性もでてきたりして、そこにマスコミ問題もでてきていやになったのかな。

で、当然森民夫が圧勝する、というのがおおかたの予想だった。他の候補はまあほとんど泡沫候補扱いだったんじゃないか。米山隆一も、ああまたこの人でたのか、というような印象しかなかった。しかし、蓋を開けてみたら米山圧勝。

米山氏が当選した理由はただ一つ、反原発。これだけですね。過去何度かの選挙に立候補してそれなりに支持者はいただろうし、選挙の経験も積んでそれが今回の当選につながったんでしょう。しかし、反原発を訴え、そこに集中したことが最大の勝因だと思います。それはそれでいいのですが、今回の選挙では原発以外ほとんど話題に上らなかった。つまり米山氏がどういう人で、どういう知事を目指しているのかまったくわからない。というわけで、なんとなくですが不安を感じています。

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不安その1。政治家経験がない。

これはトランプ大統領と同じですが、実際に政治家をした経験が無いので過去の実績を見てどういう人か判断することができません。役人をしていたわけでもないので、政治とどの程度関わっていたのかも分かりません。経歴を見ると東大卒で医師免許を持っていて弁護士の資格もあって、すごく頭いい。しかし多くの議員も高学歴で、医師も弁護士もいて、それでも不祥事を起こす人などたくさんいるので、この経歴は判断材料になりません。要するに未知数。政治家として有能なのかどうか、蓋を開けてみないと分かりません。

不安その2。原発以外の政策。

泉田知事が注目されてきたのは、北陸新幹線の工事費負担を拒否したり、原発の安全性が保証されていないと言う理由で東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の運転再開を認めなかったあたりからでしょうか。どっちも話をきいているともっともな言い分があるのですが、とくに原発運転再開にたいする頑なな態度から与党に疎まれはじめ、また同じ理由で市民からは一定の人気があります。しかし、泉田知事はただ原発問題だけを取り扱っている訳ではなく(当たり前だけど)、他にもいろいろなことをやっています。例えば、

  • 震災対応について県の復興基金などを元に復旧復興を進める
  • 公約を元に作成した政策プランにより県財政を安定化
  • 産業団地利用率が、71.8%(平成16年度末:15.6%)まで高まる
  • 全国に先駆けて導入したマイナス金利制度等により、本県中小企業の設備投資は、全国平均を上回る水準で推移
  • 高卒就職率は、リーマンショック時においてもほぼ100%を維持
  • 県のアンテナショップである表参道ネスパスは年間で入館者100万人を超える
  • 医師・看護師の養成定員の増加、ドクターヘリの導入、県立病院の経営は安定
  • 人口問題では前回調査の将来推計を8,000人近く上回る
  • 難病対策、新潟水俣病対策、ひとり親世帯支援、いわゆる出世払い奨学金の導入、障害者支援などに積極的に取り組む
  • 県の審議会等への女性登用率も大幅に上昇
  • 農家所得の向上を目指し1経営体当たりの売上額は約400万円増加
  • 米の輸出は全国トップで本県が全体の40%を占める
  • 土木関係では、建設業のすべての規模階層で利益率がプラス
  • 全国46位に甘んじていた設計労務単価は26位まで上昇
  • 北陸新幹線開業時の国との交渉での830億円の支援策の獲得により並行在来線の安定運営の基盤を確保
  • 佐渡汽船は黒字化し、経営は安定
  • 漸減していた県立図書館の入館者も改革の結果ほぼ倍増
  • 個を伸ばす教育を基本に取り組みを進めた結果、小学校で全国上位の学力を獲得
  • 一人当たり実質可処分所得もこの間12%程上昇
  • 昨年(※2015年)10月の県民意識調査ではすべての項目で満足層が増加

などなど、これはすべて下の泉田知事後援会からの要約でつまり自画自賛なわけですが、いろいろやって実績を残してきたことはよくわかります。

これに対して、米山新知事は原発を中心に安全・安心を最優先。本人のホームページには安保法制の廃止、TPP批准阻止、原発再稼働ストップとか書いてあってちょっと偏ってるような気がしないでもない。この人はかつての選挙でも自民党→維新の党と所属政党を変えてちょっと日和見なのかな、という気がする。反原発も当選のための手段として使ったのだとすると、掲げている公約もどこまで本気なのかわからない。

極端なことを言うと柏崎刈羽村原発が直接的に関わるのは刈羽村で、これって県全域の問題ではないと思う。なので、そこに拘泥して他の政策を疎かにしないで欲しいってことですね。

まあ泉田知事の実績も任期を振り返っての結果なので、米山新知事の政策についてはこれからに期待するしかないです。

不安3。結局は、原発。

三つ目の不安は、やはり柏崎刈羽村原発について。結局、米山氏は反原発を訴えて知事になった。これをはっきり言うと、投票した人は原発を再開させないことを条件に、米山氏を支持したと言うことだ。原発再開の是非はさておいて、与党が原発再開を進めていて、議会も自民党派が多数いるなかで原発再開を拒否し続けられるのかどうか。再開を許可したら米山氏の指示はなくなるだろう。原発を争点にした時点で、これは避けられない。

まあこれから4年の任期中にどんな知事なのか分かってくると思うので、みなさんの期待を裏切らないようにがんばって欲しいと思います。