Doom Eternal レビュー。傑作FPSの続編もまた傑作でした。さらにスピードアップ。グロいけど怖くはない。

Doom Eternalの感想。とりあえずウルトラバイオレンスでクリアしました。対戦モードはやってません。Xbox Oneでのプレイ。

スポンサーリンク

プレイ

ゲームは大胆に変化を取り入れてさらに進化した感じ。

プレイ感覚はそんなに変化ないんだけど、ダッシュという能力が備わって操作の楽しみが増した。これは空中でも地上でも、最大2連続で短距離の高速移動ができる能力。

前作でも2段ジャンプでぴょんぴょん飛び回りながら撃ちまくるかなりスピーディなゲームだったけど、ダッシュのおかげでさらにスピード感が増した。ただ移動してるだけでも楽しい。

前作でも、グローリーキルで敵をたおすとヘルスを落とすというシステムがあったけど、それがより拡張されている。今回はグローリーキルの他にフレイムベルチという武器が加わって、これで攻撃した敵は一定時間アーマーを落とし続ける。

それからチェーンソー。チェーンソーで倒した敵は多量の弾丸をばら撒く。そして、チェーンソーも時間制で1メモリ分のみチャージされる。つまりチェーンソーは無制限に使えて、弾丸もいつでも補給できるということ。

この新たなシステムを使いこなすことで、戦闘中も常に補充しながら戦い続けることができる。というかそれが前提のゲームになっている。

もてる弾薬の最大量がかなり減っていて、ショットガンなんて最初は14発、最大でも24発しか持てない。こんなの、大型のデーモンが多めにでてきたらあっという間に尽きる量。なので必然的にチェーンソーでタイミングよくザコを倒して弾丸を補充する必要がある。

またフレイムベルチを意識的に使うことで常にアーマーを補充できる。ヘルスの減少をかなり抑えられる。

この戦闘システムのおかげで、前作よりかなり死ににくくなったような気がする。

もともと、大型のデーモンをいかに処理するかに生死がかかってる攻撃は最大の防御というタイプのゲームだったけど、そこをさらに追求したのかな、と思う。配置された弾薬を取りにウロウロするのではなく、ひたすら敵を倒し続けることができる。

武器

今回は敵ごとに効果的な武器がある程度はっきり決まっている。例えばカコデーモンなら、ショットガンのモッド、スティッキーグレネードをタイミングよく当てれば一発でグローリーキルできる。突進系のヘルナイトとかはチェーンガンで足止めできる。敵のエネルギーシールドはプラズマライフルで爆破できる、といった具合。

スーパーショットガン一辺倒では進めず、バランス良くいろんな武器を使って攻略する必要があります。

それでも、まったく使わなかったモッドもいろいろ。前作ではけっこう使ったミサイルランチャーは今回全然使わなかったし、ショットガンをリロードなしで撃ちまくれるモッドも使わなかった。バリスタのデストロイヤーブレードも使い所が難しくて、ほとんど使わなかった。

ただ、特定の敵にたいしてはほぼ必須のモッドがあるけど、それ以外はどれを使ってもそれなりにすすめるはず。上記のモッドも私が使わなかっただけで多用してる人もいるのかもしれないし、そういう意味ではわりと自由なプレイスタイルで遊べるのかも。

あとBFGのほかに、後半で非常に強力な近接攻撃武器が登場。これも使い勝手のいい武器で爽快です。

アスレチック要素が謎の充実。

これは賛否両論あるところだけど、マップのところどころにタイミングよく足場をジャンプして渡っていくようなアスレチック要素が加わっている。主人公は壁につかまってよじ登る、という動作ができて、これも前作にない要素。

壁から壁にぴょんぴょん飛び移ったり、つかまって大ジャンプができるモンキーバーを使ってうまく遠くの足場に飛び移ったり、回転する炎のバーをジャンプとダッシュで避けてすすんだりと、まるでスーパーマリオみたいなDoomらしからぬ場面が出てくる。

これは賛否両論あると思うけど、個人的には戦闘の合間の息抜きになってよかった。2段ジャンプ後のダッシュのタイミングとかコツがいるけど、極端に難しい場面はなく、落下しても即死ではなくて少しダメージを受けて戻されるだけ。なれれば空中を飛び回るのが爽快になる。

前作より簡単になっているかも。 ←やっぱり難しいです。

戦闘ポイントではザコはおそらく無限に湧くし、チェーンソーで倒すと弾薬の他に多少のヘルスもドロップするので、絶体絶命の状況でもとりあえずザコをチェーンソーで処理し、その後グローリーキルできればすぐにヘルス100近くに回復する。前作よりは死ににくくなってる気がする。

追記:やっぱり難しい。戦闘の合間に意識的にフレイムベルチでアーマーをゲットし、グローリーキルでヘルスをゲットしていかないと行けないので、忙しい。それから高難易度だと重量級の敵の攻撃をしっかり避けないとすぐに死んでしまう。

さらに、エクストラライフという新要素。なんと今回のDoomは機数制で、エクストラライフを取ると残機が増える。これがあると死んでもその場で体力満タンで続行できる。使い所は選べないので、慣れないうちはちょっとした延命措置という感じだけど、慣れてくると残機が溜まっていって難所もゴリ押しですすめる。

さらに、クリアしたミッションを再プレイしてとったエクストラライフもキャンペーンに引き継がれるので、序盤の簡単なミッションを周回してエクストラライフを集めるということもできる。

動きも軽快だし、ノンストップでひたすら突き進むことができて前作より爽快感はましていると思う。ただエクストラライフのおかげで、緊張感は少し減っているかな。

ロード時間が短くなっている

プレイ以外の点では、まず気づくのがロード時間が短くなっていること。これはすごいです。

前作はロード時間の長さがたまにキズだった。各ミッション開始時の長いロード、死んでやり直すときのロードと、頻繁にあるロード時間がいちいち長かった。さらにミッション途中にあるルーントライアルに入るときにもロード。なかなかロードの長いゲームだった。

今回、ロード時間が大幅に短くなっている。ミッション途中でスレイヤーゲートと呼ばれる別マップに入る場合も、ロードはなし。

べつにマップが狭くなっている気配もなく、グラフィックが劣っているわけでもなく、マップ間のロードはないし、60FPSの維持度はむしろ高まっている感じ。

とても快適。技術の進歩なんでしょうか、サクッと遊べます。

ストーリー、世界観

ストーリーというか世界観もまた妙な進化を遂げている。

前作の内容は、火星に現れたデーモンを排除するために主人公が地獄まで出向いてデーモンをぶちのめすというシンプルなものだった。ただ、その裏にはきちんとした世界観が構築されていて、マップのあちこちにちらばっているコーデックスを取得すると武器やモンスターの解説の他に、研究所や地獄と呼ばれている場所についてなど、結構な分量の設定が詰め込まれていた。

今作は舞台が広がったこともあってさらに多くの情報が詰め込まれている。主人公は一体何者なのか、デーモンたちはなんなのか、センチネルってなんなのかとか、前作では説明されていなかった点が明かされているし、専門用語たっぷりの目が滑りそうになる説明を読むと舞台となるいくつかの世界の歴史もわかるようになっている。

もっとも、それは単なる裏設定みたいなもので、ゲームをすすめる上で理解している必要はないってのも前作と同じ。いろんな設定はあるものの、要はデーモンを排除するために主人公があちこちに殴り込みをかけるというお話になっている。

かなりSFっぽくなった。前作のどろどろした地獄の雰囲気が薄れて、遠過去の超技術とか世界の歴史が出てくる。有機的雰囲気との融合はあるものの、SFっぽさが強い。

キャラクター、雰囲気

ゲームが始まってすぐに、主人公の相棒然とした雰囲気でVEGAがしれっと登場するのは前作やってた人にとってはうれしい。VEGAがあのあとどうなったのか、気になってたから。

それからハイデン博士が登場するのもうれしいサプライズ。前作の出来事で主人公と対立してるのかと思いきや、人類側のリーダーみたいな役割を果たしていて主人公も別に対立することなく共闘する。

そんなことは不可能だが…みたいな常識的な判断をするハイデン博士と、その不可能なことを平気でやろうとする主人公と、そんな主人公を当たり前のようにサポートするVEGA。ちょっと笑える場面もある。

そういうのもあるし、今回地球が舞台で、デーモンに殲滅されつつあるとはいえ人類がまだ生き残っていることで、雰囲気として怖さは薄れていると思う。わけのわからない悪魔の世界にたった一人でいる、という怖さがない。前作は「デッドスペース」ほどじゃないけど、そういう怖い雰囲気があった。ハイデン博士がデーモンだらけの火星の研究所にぽつんと残っているところも、想像するとなかなか怖い。

今回は人類がまだ生き残っているし、人類の放送が聞けるし、新しく登場する舞台がなんか話のわかる奴らの世界、という感じであんまり怖くない。

それからDoomの要塞と呼ばれる拠点が登場したのも大きな変更点。いろんな場所を転々とするんじゃなくて、ミッション終わるたびに拠点に帰ってこれるのでちょっと一息つける感じ。で、このDoomの要塞にもいろんなお遊びが散りばめられていたりして、緊張感が和らぐ。

この辺はべつにいい悪いを決められる点ではないんだけど、個人的には前作みたいに廃墟と化した研究施設や乾いた地獄の世界とかに放り出される感じのほうが好きかも。

まとめ

さらにスピードアップした傑作FPSです。

都合よくモンキーバーが配置されていたり、門を開くスイッチが隠されていたり、そもそも隠しアイテムがたくさんあったり、回転する炎のバーはいったいなんなのかとか、相変わらずリアリティよりゲームの面白さ優先で設計されたマップ。

そして頻繁に武器を変えつつどんどん倒すことで燃料も補給していくゲーム性。

この変化が気に食わない、という意見もあるみたいですが、武器を温存せずに効果的に切り替えて進んでいくことが必要になっててより進化してるんじゃないかなと思います。プレイ感覚はそんなに変わってないし。

ヒットした前作をおとなしく踏襲するのではなくて、大胆に変化を加えて挑戦的に進化を目指した点は評価したいと思います。

敵も増えてるし、武器も増えてるし、ボス戦は前作のほうが楽しかったけど前作と甲乙つけがたい傑作でした。

タイトルとURLをコピーしました