アニメ「ハイスコアガール」の感想。

これも一気観したアニメ。面白かった。

原作は版権の問題で一時連載中断されていた押切蓮介の漫画。ゲームの腕以外に取り柄のない少年がひょんなことから同じくゲーマーのお嬢様と親しくなる、格闘ゲーム/レトロゲームを物語の主軸にした恋愛マンガ。

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CGキャラがとてもよかった。

押切蓮介の絵は割と独特なところで進化が止まっている感じがして、魅力的ではあるけれどちょっと荒削りで、パッと見では雑に見える面白い絵柄をしている。それをアニメ化するにあたって、おどろいたことに全てCGで描写されていた。

このCGがとても良かったと思う。ディズニーとかではCGが当たり前だけど、マンガのような典型的な二次元の作品を映像化するのにも、もはや問題なくCGを活用できるんだということがよくわかりました。

CGのおかげでキャラの作画が安定して、よくある下手くそな絵がなくなっているし、このアニメではCG作画にありがちなぎこちなさ、硬さも解消していて、変顔みたいなものもきちんと再現している。

原作がリアル系ではないディフォルメされたキャラクターだからCGとの親和性が高かったのだとは思うけれど、このクオリティが維持できるのなら、他のアニメも全部CGでもいいんじゃないかと思いました。

テンポよく楽しめるお話。

肝心のストーリーについても、非常にテンポよく進んで笑えるネタもいろいろあって面白かったです。押切蓮介というとけっこうマイナーな印象で、ハイスコアガールもレトロゲームをネタにした一部マニア向けな感じがするけれど、実際はどの作品をよんでも展開、コマ割り、構成がきっちりできていて、マンガとしてソツのない出来のものが多い。さらに、マンガで扱われる感情も、レトロゲームの中で子供の頃の懐かしい感情を持ち出したり、ホラーを描きながら家族の愛情を描いたり、ギャクマンガの中で友情を描いたり、特殊に見えてむしろ一般受けする作風のものが多いように思う。なので、ハイスコアガールがヒットしてアニメ化されたのもようやく、当然、という感じ。

主人公ハルオが魅力的なのは、取り柄がゲームだけ、という点を貫いているところ。当たり障りのない主人公というのはアニメやマンガで最も魅力のないキャラクターになってしまいがちで、逆に欠点だらけのキャラクターのほうが魅力的に見える。「魔法少女・オブ・ジ・エンド」というそれほど面白くないマンガでは、主人公はほとんど記憶に残らず、脇役のハズの芥という利己的で性欲しか頭にない芥という警察官のほうがはるかに魅力的だった。同じように、ハルオはよくできた欠陥キャラだとおもう。で、その欠陥が主に学業面のもので、人間的にはそこそこまっとうである点で、いろいろな魅力的な展開が発生する。

アニメ内でのゲームの扱いも非常に力が入っていてよかった。使われている映像はほとんどオリジナルのようだったし、オープニングでの演出も実際のゲーム場面をばんばん取り入れていた。ゲームが根幹にある話なので、ここで手を抜かずにきっちりやりきっているのが非常に高感度高いと思います。

恋愛ものと見せかけてやっぱりゲーマーの話。

恋愛なのか、ゲームなのか。ここでも、作者がゲーム側に突き抜けているっぽいのが面白いと思いました。最後に小春がハルオに告白する場面は、それまでの流れからして恋愛マンガとしても十分に盛り上がった場面だったと思いますが、そこで「ゲームで勝負」という展開にするところ。麻雀漫画とかだと何もかもがだったら麻雀で勝負だ!となるのですが、この場面でちょっとゲーム好きの女子高生程度に思えていた小春も、実は根本的には視聴者の想像を遥かに超えたゲーマーであったのだ、ということがよくわかりました。

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