ソニー・ピクチャーズのyoutubeで無料公開されていた、「スモーク・スクリーン 疑惑の炎」の感想。

最近、ソニー・ピクチャーズのyoutubeチャンネルで映画が無料公開されているのに気づいた。

劇場公開されたような有名作から、聞いたことのないテレビ映画までいろんな品揃え。テレビ映画っぽいやつは長さも100分程度で軽く見るにはちょうどいいものが多そう。

そんなわけで、とりあえず一作見てみた。

「スモーク・スクリーン 疑惑の炎」

これは言ってみれば、アメリカ版火曜サスペンス劇場みたいなものなんだろうか。劇場公開はされていない単発のドラマで、登場人物にスターはおらず、サスペンス、ロマンスを織り交ぜて100分くらいでコンパクトに纏まっている。

ストーリーは、殺人の嫌疑をかけられたローカルテレビ局のキャスターが、その事件と自分が過去に取材した殺人事件に関連があることに気づき、ある人の手助けをかりて事件の黒幕に迫る、というもの。

主人公が自宅のベッドで目覚めたら隣に死体があったり、いきなり男に拉致されたり、殺人容疑で指名手配されて逃げ回ったり、命を狙われたり、なかなか盛りだくさんで楽しめるドラマでした。

どこかでみたような展開だったり、ありがちな展開だったりするんだけど、それがいいんだろう。

もっとお金がかかった大作なのに全然おもしろく感じない映画もたくさんある。この映画は予算は500万ドルということで、どれくらいの規模感なのかわからないがそんなにお金のかかった大作じゃないことは間違いない。

自分の期待するお話のレベルと、このドラマが提供してくれるお話のレベルがうまく一致していることで、満足感が生まれているのだと思う。そこがこのドラマが目指しているところで、最大公約数に近い部分の出来になっているのではないか。

唯一、ロマンス要素があまりにも無理やり過ぎて不自然さがありありだが、無理をおしてロマンスを突っ込んでくるのも求められているものがよくわかっている感じがしてむしろ好感が持てた。

もっと尖った部分を目指したり、ニッチ過ぎて誰の琴線にも触れなかったり、という失敗作ではなく、誰が見てもぼんやり面白い。もっと高みを目指してさらに一般に受ける要素の多い映画は、傑作とかになるんだろうけど、このドラマはそういうのを目指してはいない。

私も、映画館に見に行くのはもっと尖った映画や金をかけた大作、流行りのヒット作が多くて、わざわざこれを映画館でみようとは思わないけど、テレビで、しかも無料でなんとなくみるのには、疲れず、適度な刺激があり、つかれた日々の娯楽としてきわめてちょうどいい。そんなドラマでした。

あと、このドラマの登場人物たちはだいたい知り合いで、けっこう狭いエリアで展開されている話である。登場人物はわりと多めで混乱しそうになるが、人物間の距離感、話の規模感がちょうどよく、なんとなく見ていてもついているバランスはなかなかいい点だと思いました。

原作はサンドラ・ブラウンという人。ロマンス小説のベストセラー作家で、もとTVリポーターだったりもしてる。wikipediaによると「物語展開の妙と安心して読めるハッピーエンドとを併せ持つ作品で世界中に読者を持つ」とのことで、このドラマもまさにそんな感じ。ちなみにこのドラマの邦訳もあるらしい。

この人の小説を買ってまで読むことは個人的にはないだろうけど、映像化されて、無料で、100分未満なら、ほかにすることがなければ見てもいい。極めて偉そうな感想ですがそんな感じでした。

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