映画版「ダウントン・アビー 新たなる時代へ」の感想。

上映館が少なかったですね。

これは大ヒットドラマ「ダウントン・アビー」の映画版の二作目です。

設定や登場人物などすべてドラマ、前作から続いているので、内容としては完全にファン向けのものとなります。ここから新規で参入する人はあまりいないはず。

そんな風に顧客が限定されるのに映画が2作も作られるダウントン・アビーはほんとに人気作なんですね。まあ最近は配信もしているので、そこから入ってくる人も大勢いそうですが。(わたしも配信サービスで全話見ました。)

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キャストは変更なし、ドラマ後半と同じノリで展開する群像ドラマ(喜劇味強い)

で内容ですが、完全に面白かったです。映画版の前作よりもよかった。

ドラマでの第一次大戦みたいに歴史上の実際の出来事とからめてなにか起きるのかと期待しましたがそういうのはかるく時代背景として利用されているだけで、どっちかというとコミカルな要素の強い作りになっていました。

内容としては、大きく分けるとまあ喜劇ですよね。

そもそも「ダウントン・アビー」というドラマ自体、よく知らない貴族の生活を覗き見するという興味から話題を集めた点があったと思うのですが、ドラマ版の後半ではそこをさらに自覚的に発展させて、ドラマ内でダウントン・アビーを一般人に公開して入館料を徴収するというシーンがありました。

このあたりのメタ的な構造がけっこうツボにハマって、ダウントン・アビーって結構すごいドラマだなーと思いました。マギー・スミスの悪ノリスレスレにも見える演技も、それにすごく合ってる気がしたし。

でこの映画版では、イギリスの映画撮影会社がロケ地を求めてダウントン・アビーを訪れ、そこですったもんだの挙げ句メアリーが主演の声を当てることになるという。

映画内映画みたいな場面もちょっとあり、メアリーが声をあてるあたりのドタバタぶりとか完全にコメディの演出です。

映画の雰囲気も全体的に明るい。今まではすったもんだの挙げ句結婚で幕を閉じるという喜劇の型でしたが、今回はオープニングから結婚式だし。まあいろいろな出来事はあるものの、総じて楽しい印象の映画でした。

他にも、舞台に南フランスの邸宅が出てくるんですが、その屋敷がある街並みも、建物の白を基調とした明るい作りも、重厚なダウントン・アビーに対して明るい雰囲気を生み出してて新鮮でした。

あと南フランスで、執事のカーソンさんと女官のモードがたまたま帽子屋で遭遇する。そして帽子屋の主人に二人が夫婦だと勘違いされるっていう場面ですが、これはカーソン役の俳優とモード役の俳優が現実では夫婦であるっていう内輪ネタですよね。

それからもちろんモールズリーのボケキャラぶりにも拍車がかかってお笑い担当の役割をまっとうしています。このひとこういうキャラになるとはドラマの最初からは予想できなかったですね。

あとデイジーが急に変化していた気がする。それまでの無知でのせられやすい小娘から、余裕とか落ち着きが感じられるように。映画の主演女優を宥め賺すあたり今までのキャラからはあまり想像できなかった。

まとめ

そんなわけで、ドラマの後半もそうでしたが演劇の喜劇のように、最終的に何もかもが収まるべきところにスポッとハマっていく小気味よい展開でした。カーソンさんの去就とか、え?結局そうなるの?みたいなところはありますが、ドラマをみていた人なら見る価値十分ある映画だと思います。

唯一残念だったのは一部キャストが出演しなかったこと。メアリーの夫役のヘンリーと、スプラットさん。ヘンリーは言及はされてるけど、仕事で国外に行ってるという設定。まあ役者さんの都合でしょうね。スプラットは、ここは言及されてなかったと思うけど、バイオレットがダウントン・アビーに引っ越してみんなで暮らしてるのでもう執事はいらなくなったということですよね。しかし、まったく言及されてなかったのはちょっと残念でした。

個人的には映画の前作よりもこっちのほうが面白かった。続編は出るのかな?このあとは大恐慌とか第二次大戦とかそういう時代に入っていくわけですが、続編がでるとしたらどんな話になるんでしょうか。

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