小説、本

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「ティンカー・ベル殺し」の感想。ピーター・パンの原作読んだ人比較的少ないかも。

小林泰三のおとぎ話ミステリシリーズもいつのまにか第4弾。今回はピーター・パンがテーマです。 例によって、ディズニーとか映画とかのアレンジされたピーター・パンではなくオリジナルの小説が元ネタになっているのでちょっと知らないこともあるかと思います。もちろん、原作の予備知識がなくても楽しめるのは変わりませ...
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「友成純一エッセイ叢書」の感想その2。「世界無頼旅」「極私的インドネシア映画」。80年代~90年代の界隈の雰囲気が楽しめるエッセイ集と、魅力的なインドネシア映画の紹介。

スプラッター映画評論家にして猟奇小説家の友成純一先生の軌跡をたどれるエッセイ叢書。 全4冊のうち、今回は「世界無頼旅」と「極私的インドネシア映画」の感想を書いてみます。 「世界無頼旅」 「猟奇作家の誕生」では若かりし頃の友成純一氏の意外な交友関係などが明らかになり、単発の映画評論や小説しか知らない読...
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「この世界は誰が創造したのか: シミュレーション仮説入門」の感想。この宇宙はシミュレーション世界である可能性がほぼ確実、というシミュレーション仮説の入門書。

この世界は誰が創造したのか。それは、人類より上位に位置する超越的存在で、私達がすむこの宇宙はかれらの手になるシミュレーションの世界なのでした。 というシミュレーション仮説を解説した本。哲学者のニック・ボストロムが代表的な提唱者で、テスラのイーロン・マスクも支持している。ニック・ボストロムによると、シ...
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矢部嵩「少女庭国」の感想。アンチバトルロワイヤルの不思議小説。人肉食。

不思議な小説。発想の面白さと雑さと、文章の新しさと雑さとが入り混じっていてどう評価したらいいのか困ってしまう独特な物語。 「少女庭国」という短編と「少女庭国 補遺」という中編で構成されてますが、あわせて一つの物語といった感じ。 「少女庭国」のあらすじ とある学校で卒業式の日を迎えていたはずの少女。彼...
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キング絶賛の幻の作家、シェーン・スティーヴンスの力作”By Reason of Insanity”の感想。連続猟奇殺人犯vs記者。

キングの「ダーク・ハーフ」で言及される幻の作家、シェーン・スティーヴンス。 スティーブン・キングの「ダーク・ハーフ」が再映画化されるらしい。 それはともかくダーク・ハーフといえば、前書きで言及されているシェーン・スティーヴンスという作家のことが気になっていた。ダーク・ハーフは小説家が主人公だけど、そ...
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「友成純一エッセイ叢書」の感想。伝説の猟奇作家で映画評論家でアル中の氏がいかに変態猟奇小説家となり、バリ島で暮らすようになったのか。面白いエッセイ集。

友成純一氏の名前を知ったのは、映画関係の文章が最初だったと思う。それから今でも有名な強烈な「獣儀式」「陵辱の魔界」を読んで仰天し、他の小説、エッセイも少し読んだ。 「獣儀式」なんかは伝説的な小説で、リバイバルされてどっかの文庫で出たりしたこともあったと思う。他にも多くの小説を書いているけど、デビュー...
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スティーブン・キングの新作「異能機関」’The Institute’の感想。炎の少女チャーリー+イット(またはスタンド・バイ・ミ)みたいな。秘密の組織、陰謀、超能力、少年少女の物語。

スティーブン・キングの新作、’the institute’の感想です。翻訳が出て、邦題は「異能機関」となりました。カタカナになるかと思ったら、翻訳されました。"revival"が「心霊電流」になったみたいな感じかしら。 超能力、少年少女、秘密組織、陰謀といったキーワードで語られる本作、それだけ見ると...
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麻耶雄嵩「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」の感想。現実離れした推理合戦、推理が現実を規定するようで、面白い。

これはとても面白かった。 問題作とか、人によっては怒るとか言われていたけどなぜなのかわからない。普通に面白かったんですけど… 20歳でこれを書いたのがすごい。 何より驚いたのは、この本がまだ二十歳そこそこの著者によって書かれたということ。いわゆる本格推理小説ってこういうものでしょ?こういうのもありで...
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スティーブン・キングの小説「アウトサイダー」の感想。テンポよい快作。ミスター・メルセデスっぽいけどイットにも関連してる。

”The Outsider”というキングの小説を読みました。この本、2019年12月現在まだ翻訳出てないみたいだけどもうアメリカでドラマ化されてる。最近のキングブームぶりはすごいものがあります。 結論から言うととてもおもしろいお話でした。そんなに長くないし、テンポもよくてさっくり読みやすい最近のキン...
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「雪が白いとき、かつそのときに限り」の感想。今度は現代の高校が舞台の、青春本格ミステリー。作者の持ち味はよく出てる。

「元年春之祭」がおもしろかった陸秋槎の2作目。 元年春之祭は、ちょっとエキセントリックな登場人物の言動やなんかが、二千年まえの古代が舞台ということでかなり正当化されていた気がする。豪族の娘とか、召使いとか、身分のちがいもはっきりしていて、それによる当人たちの意識の違いが明確で、それがまた物語にも関わ...
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